遺伝子からアルコール耐性を調べる「アルコール体質チェック」のキットを発明した武庫川女子大の木下健司教授(分子生物学)と同大の学長らがベンチャー企業「武庫川ライフサイエンス研究所」を設立した。体質チェックを事業化し、4月から本格的に事業展開する。今までは九州本格焼酎協議会の支援を受け、九州の大学生や酒造会社の社員を対象に実施してきたが、関西の大学生にも拡大させる考えだ。
 体質チェックはスティックで口内の細胞を採取して研究所に送ると、遺伝子診断の結果が届く仕組み。個人でもできるよう説明書などが同封された検査キットを用いる。結果は、酒に強いAタイプから全く酒が飲めないEタイプの5段階に分類される。
 これまでに年間5千人以上が利用している。事業として有料化することで関西の大学にも拡大させ、3年間で10万人に実施することが目標。個人に対しての小売りはせず、大学や企業に検査キットを配り、新入生や新入社員を中心に実施する方針だ。
 木下教授は「学生で飲酒事故が多いのは1年生。新入生に自身の体質を知ってもらい、飲酒事故をなくしたい」と意気込みを語った。検査料は学生が1人500円、企業の社員1人1500円ほどの予定。
【有賀光太】


使用される検査キット(撮影=新拓也)