龍谷大の藤岡章子教授(経営学部)のゼミ生が、廃棄されるミカンの皮を利用した商品「みかんドレッシング」と「みかん肌まろ化粧水」を開発した。和歌山の「早和果樹園」と共同の取り組み。
ミカンの皮を利用した商品の開発は、昨年発売した「みかんうどん」に続き第2弾、第3弾。早和果樹園のミカン収穫体験イベント「アグリファンフェスタ」の運営に藤岡ゼミが協力したのをきっかけに、プロジェクトが始まった。商品の立案から容器のデザイン、また各商品を加工する企業探しまで学生が取り組んだ。
 ドレッシングは「和風」と「ゴマ」の2種類を用意。皮と果汁を多く使用しているため香りが強い。サラダに限らず、刺し身やしゃぶしゃぶなどさまざまな料理に合う万能調味料として使える。
化粧水には、ミカンの皮から搾ったエキスを最大限に配合。200㍉㍑入りで、合成香料などを使用しない、自然志向の商品になっている。ミカンの皮に関する論文を調べ、肌の乾燥やシミ、そばかすなどへの効果を確認したという。
 みかんドレッシングを担当した太田耕平さん(今年3月卒業)は「提案から販売まで自分たちでこなすのが大変だった」と苦労をにじませたが、「開発の過程で、多くの人とつながりを持てた」と振り返った。
 「今は捨てられているものも、実は使えるという認識を広めたい」と話す藤岡教授。今後も、ミカンの皮を使ったグッズの製作やワークショップを展開していく予定だという。
 ドレッシングは一部店舗で既に販売し、今後ウェブ上での取り扱いを拡大していく(税込み600円)。化粧水はウェブ上を中心に販売中(税込み3240円)。みかんうどんも早和果樹園のウェブサイトで引き続き販売している(2人前、税込み680円)。
(聞き手=垣内勇哉・馬場達也)
vol.350