奈良県警の大学生ボランティア団体「少年フォローズ奈POLI(ナポリ)」が活躍している。学生は子どもと年齢が近く親しみやすいだろうと、2004年に発足。農作業や木工体験などを通じた子どもたちの立ち直り支援や、声掛けによる非行防止のための啓発活動などを進めている。

 ボランティアには立命館大や帝塚山大、奈良教育大などの学生約100人が登録。活動場所は奈良県警本部や地域の公民館、商業施設などイベントの内容によってさまざまだ。

 教員志望の親木翔平さん(奈良教育大・修士)は、大学で学んだことを生かそうと奈POLIの活動に参加した。子どもたちから「楽しかった」「また来たい」などの声を聞けることがうれしいと話す。

 昨年からは、声掛けや立ち直り支援に加え、小学生向けの寸劇を考案。奈良県警が子どもたちを不審者などから守るためにPRしているキーワード「いかのおすし一人前」をテーマに、脚本から出演まで学生が担当した。

 学生が演じるため全員がそろうことは難しいと、一つの役に2人の学生を起用したり、劇の様子を撮影したDVDを用意するといった工夫も凝らした。実際に劇に出演した西藪裕子さん(龍谷大・2年)は「最初どう動けばいいかすら分からなかった。実際子どもたちの前で演じてみると『(不審者に)付いていったらダメ』など、反応してくれるのがうれしかった」と話す。

 今後も活動を続けて行くという奈POLI。奈良県内に在住しているか、奈良県内の大学に通学していれば参加が可能。応募や問い合わせは奈良県警本部少年サポートセンター☎︎0742(23)0110まで。(聞き手=前山幸一)

 
【写真】 (左)「いかのおすし」をテーマにした寸劇(右)奈POLIによる立ち直り支援活動。スマホスタンドを制作 (提供=奈良県警少年課)