ゲームメークに欠かせない存在として関学を支えたのは、QB伊豆充浩だ。味方にパスを出して試合を進めていくQBだが、伊豆は積極的なランで自らタッチダウンを奪ってきた。打倒社会人を見据えながら、昨シーズンの学生王者を逃した悔しさを胸に、再び学生の頂点に立つためシーズンを戦った。

 3年生から主力として試合に出場し、チームを引っ張ってきた。現役最後となった今シーズンは、パスの成績の指標となるパス・レーティングが145.71とリーグ2位の活躍。また「QBが走れるかどうかで試合は変わってくる」と話す。2年ぶりに出場した甲子園ボウルでは、ディフェンスをかわしランで先制点を決めチームに流れをもたらす。その後もパスを通し、チームの勝利に貢献すると大会最優秀選手に選ばれた。

 一方ライスボウルでもスタートから積極的に攻撃するが、社会人の力には及ばなかった。伊豆は「苦しさや悔しさもあるが、応援してくれた人に対して感謝の気持ちの方が大きい」と東京ドームでの試合を最後に引退した。