近畿大と吉本興業は協定を結び、1月から包括的連携事業を行う。大阪らしい「おもろい」をコンセプトにした研究や教育を展開し、吉本の「笑い」と同大の「実学」の協力で創造的な価値を世界に発信することが狙いだ。
 学生は、吉本が得意とする「プロデュース」「コンテンツ制作」「コミュニケーション」の力を養う。主な内容として、近大が完全養殖に成功した「近大マグロ」の研究過程のドラマやアニメなどを近大と吉本が共同制作し、動画配信サービス「Netflix」で放送する。また、吉本の施設などを活用した「笑い」がテーマの研究や、吉本が独自に行う地方創生企画にも学生や教員が参加する。
 医学方面では、「笑い」が精神面に与える影響に関する研究や表情の分析などを行い、来年からは病気やストレスへの効果などを研究する。「笑い」によってストレスマネジメントプログラムを開発する予定だ。
 また「笑い」を軸にした教育では文芸学部、総合社会学部、経営学部で動画制作やなんばグランド花月を活用したマーケティング調査の講義が開かれる。
 地域活性化を目指すプロジェクトは、各都道府県に住み地域の情報を発信する「住みます芸人」と各地域で採用された「エリア社員」が取り組む吉本の企画。学生と教員も一緒に地方に実際に参加し「笑い」と研究成果を伝える。
 12月22日の「『すべらん』話の創り方講座」では月亭方正さんが講義を開き、就職活動で笑いを取る方法を伝授した。