【11・12月号掲載】逸話や史実を基に 東寺絵巻を制作
京都の大学に通う学生7人が制作した「平成東寺伝説絵巻」が、東寺(京都市南区)で公開されている。全長16㍍にも及ぶ大作は完成までに1年以上を費やした。絵巻には4カ国語の説明文が添えられている。
絵巻は、文化財の修復や保存を学ぶ講義の一環で制作。府内40以上の大学・短大が加盟する「大学コンソーシアム京都」が京都市立芸術大で開講し、立命館大、京都工芸繊維大、京都学園大の学生も参加した。油絵を専攻している石川愛子さん(京都市立芸術大・修士)は「日本画材に触れる機会になると思った」ときっかけを話した。
学生は寺社への聞き取りや史料収集などを行い、取り上げるエピソードを集めた。しかし「逸話を聞いても文献が出てこないこともあった」と山口篤二さん(同大・4年)。最終的に四つの史実や逸話に絞り込んだのち、下絵を描き、墨でなぞり、着色した。
外国人にも作品の背景を知ってもらおうと、日本語の説明のほかに留学生や教授の力を借りて英語、中国語、韓国語の訳を加えた。
水野真緒さん(同大・4年)は「現存する仏像と今は存在しない仏像の両方が描かれているので比べられる」と見どころを語る。
絵巻は12月4日まで公開していて、拝観時間は午前9時から午後5時まで(最終受付は午後4時半)。大人800円、中高生400円。
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