【11・12月号掲載】都市型キャンパス特集①
◎大工大 梅田キャンパス完成 学生のものづくりを促進
大阪工業大は2017年4月の「ロボティクス&デザイン工学部」開設に先立ち、梅田キャンパス「OIT梅田タワー」(大阪市北区)を10月に完成させた。地上21階、地下2階建て。「大阪発の『ものづくり』をしていきたい」と梅田キャンパス開設準備室の担当者は意気込む。
■立地の良さを重視
梅田へのキャンパス設置には、通学の利便性や、企業との産学連携を行いやすいという利点が挙げられる。
キャンパスは、新設されるロボティクス&デザイン工学部の学部棟となる。現在工学部に属するロボット工学科と空間デザイン学科、新設のシステムデザイン工学科の3学科で構成。同学部の特長的な教育として「デザイン思考」があり、従来の手法では解決が困難だった課題を「観察」「アイデア創出」「プロトタイピングと検証」を繰り返し、解決策を導く。
■アイデアを形に
タワーの地上1階には全面ガラス張りのギャラリーを併設。学生の研究や作品を展示し、地域住民やキャンパスを訪れた人に意見をもらえるよう一般開放する。6階には休憩場所も完備され、8階のロボティクス&デザインセンターは、発想をすぐに書き留められるようにホワイトボードが机に1台ずつ設けられる。他にもアイデアをアウトプットし形にするための3Dプリンターなど、工作機器も設置される。
■災害への強い備え
同キャンパスは地上1階と5階には防災センターがあり、建物内には最新の地震対策が施されている。被災時には災害レベルに応じて、電力の安定供給や給排水機能の維持、帰宅困難者の飲料水・食品を倉庫で確保する。1階から4階にかけて、最大750人を5日間受け入れることが可能だ。経済の中心地梅田で、大学の学部棟だけでなく、地域貢献の役割も果たしていく。
◎阪南大 他大学・企業と連携も あべのハルカスで学生を支援
2014年3月に開業した超高層ビル「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)の23階に阪南大の「あべのハルカスキャンパス」が入居している。主要キャンパスである本キャンパスと南キャンパス(いずれも大阪府松原市)の最寄り、近鉄河内天美駅から電車一本でアクセス可能という好立地。「学生支援」「教育研究情報の発信」「社会・地域連携」の3本柱を掲げている。
あべのハルカスキャンパスではキャリアセンターと連携し、学生の就活対策に力を入れる。キャリアアドバイザーが常駐し、PC検索コーナーも確保。利用者の割合を見ても、3~4年生が多いという。他にもメインキャンパスと程近い立地を生かし、ゼミ発表や公開講座の会場としても活用されている。
また同じくあべのハルカスに入居する大阪大谷大、四天王寺大との共同事業「ハルカス大学」を行っている。3大学と同じフロアに入居する企業、ワークアカデミーなどと共にイベントなどを開催する事業だ。夜景撮影のテクニックを学ぶものや金融業界セミナー、フェイスペイントで妖怪になりきる企画と、講座の種類は多岐にわたる。学生だけでなく誰でもウェブサイトから応募でき、参加費がかからないものも。
「あべのハルカスにキャンパスを構えたことで、話題性や集客を見込める」と担当者は話す。また「都心に近い方が事業連携もしやすい」と、利点について語った。
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