◇第65回全日本大学サッカー選手権大会2回戦(12月10日 味の素フィールド西が丘)

<阪南大2-1仙台大>
2年ぶりに関西リーグ制覇を果たした阪南大は2回戦からの登場。1回戦で金沢星稜大を退けた仙台大を迎え撃った。序盤、阪南大は初戦の緊張からか慎重な立ち上がりを見せ、持ち前の攻撃力を発揮できない。対する仙台大は1回戦で勝利した勢いそのままに球際の激しさ、攻守の切り替えの速さで流れをつかむ。すると10分に、FW齋藤のヘディングシュートが決まり仙台大が先制する。反撃したい阪南大は失点直後からボールを保持する時間が増加。再三、仙台大ゴールに迫るもラストパスの精度を欠き、決定的なチャンスを作れない。攻め続けるも得点が奪えない悪い流れが漂ったが、FW前田が断ち切る。26分、右サイドからFW山口がクロスを供給。相手DF、GKと競り合うも頭から飛び込んでゴールに流し込み、同点ゴールを奪う。昨年のインカレ得点王の活躍で試合を振り出しに戻し前半を折り返す。後半に入ってからは一進一退の攻防。阪南大は細かいパス回しや機を見たサイドチェンジ、ロングボールなどで相手を揺さぶる。仙台大は押し込まれるも堅い守備を誇り、ボールを奪ってからの素早いカウンターで応戦。両者一歩も譲らず時間が流れていく。同点のまま、延長戦に突入かと思われたが阪南大が待望の勝ち越し点を挙げる。試合終了間際の81分、右CKからFW山口が上げたボールをDF甲斐(J2FC岐阜内定)が頭で叩き込み逆転に成功。その後は阪南大が落ち着いてボールを支配し、ゲームを締めくくった。攻守の要の活躍で勝利を収めた阪南大がベスト8進出を果たした。また、同じく関西代表として出場している関西学院大、大阪体育大、関西大もそろってベスト8に駒を進めている。

【前半】阪南大1-1仙台大
【後半】阪南大1-0仙台大
【試合終了】阪南大2-1仙台大
【得点】阪南大:FW前田(26分)、DF甲斐(81分) 仙台大:FW齋藤(10分)

▽阪南大・須佐監督
歯切れが悪い。(試合の)最初はそんなに悪くなかったが、球際で甘さが出た。カウンターには気をつけていたがやられてしまった。ラインを下げずに上げろと言っていたが、相手は11番と9番に当てるのがうまかった。なんとか崩そうという意識だったが攻めきれない。特に前半は外しすぎた。もっと前への推進力を持って欲しかった。もっと突破からフィニッシュに行って、決定機を増やさないと駄目。(次の相手の)順天堂大は相当うまい。選手を多少いじって、臨みたい。

▽阪南大・MF脇坂
立ち上がりは慎重に入った。自分自身もリズムを作るのに時間がかかった。今日は右サイドだったが、中に入ったり自由にやれた。真ん中をやりたい気持ちはあるけど、結果が伴わないと駄目だと思う。今日はクロスに頼り切った単調な攻撃になってしまった。もうちょっと多彩に攻撃できれば良かった。(インカレは)昨年2位で、自分もけがをしていて出れなかった。今日はゴールに関わるプレーが少なかったので、昨年の分も自分がやるという気持ちを持って今年は絶対に優勝したい。(次の相手の順天堂大について)お互い攻撃が持ち味同士。しっかりと攻撃で上回れるようにやりたい。

▽阪南大・DF大野
10月16日にけがをしてから初めての試合。甲斐くんとのコンビネーションでうまく守れていたと思う。インカレには昨年も出場していたが昨年はミスを恐れていた。昨年の大体大戦、関学戦は試合を楽しめていなかった。今年は自分がやってやるという気持ちで臨んでいる。今年はコーチングの量も増えてきた。今日はいい緊張感を持って、試合を楽しめた。