◇関西大学ラグビーAリーグ第7節(12月3日・西京極総合運動公園)
●同志社大12-34天理大◯
MOMジョシュア・ケレビ(天理・4年)

 全勝対決となった天理大と同志社大の最終節は、6768人の観衆が詰めかけた。勝ったほうが優勝となる頂上決戦は、両チームの気持ちがぶつかり合う熱戦となった。天理大は前半5分、同志社のWTB松井にトライを奪われ先制を許す。しかし、前半17分にWTB井関のトライで同点に追いつく。勢いそのままに、SH藤原のトライとSO後藤のゴールキックで勝ち越しに成功。連続トライで天理大応援スタンドが盛り上がる。しかし、同志社は前半36分にモールで敵陣深くまで押し込むと、HO中尾がボールを持ち出しトライを奪う。ゴールキックも決めて、まさに一進一退の攻防。同点で前半を終える。後半2分、天理大のWTB久保が自陣右サイドのこぼれ玉を拾うと、そのまま独走トライを決める。すると、試合は一方的な天理大ペースに。後半だけで4トライ、守っては後半無失点と圧倒。同志社の連覇を阻止するとともに、4年ぶりの優勝を果たした。天理大は関西大学Aリーグ1位として17日に、同志社はリーグ2位として11日に大学選手権の初戦を迎える。

▽天理大・小松節夫監督
「久しぶりの優勝なので、初優勝並みにうれしい。その前は3連覇していて、3年間勝てずにいた。去年は力が出せずに負けた。自分たちのやってきたことを出さないともったいない。力を出し切って勝つ自信はあった。前半は同志社の圧力があって苦しい時間帯が続いたが、後半はよく攻めた。後半の一つ目のトライは大きい。あれで流れが取れた。同志社はどこからでもトライが取れる力のあるチーム。点差が離れても安心はできなかった。先制されたときは『なかなかうまくいかないな』と思ったが、勝てたということは力が付いてきたのかな。選手たちは試合ごとに自信をつけている。今日は自分たちのスタイルを出そうとしたのが結果につながった。また自信がつく。去年と違って今年は、フォワードから自分たちのペースをつくっている。フィジカルやセットプレーを強化してきた。今年のチームは修正能力がある。関西代表として全国でも戦いたい。まずは年を越して帝京大と試合ができるまで頑張りたい」

▽天理大・PR山口知貴主将
「試合前は昨年(直接対決で)優勝を明け渡した同志社へのリベンジや、『この試合に勝ったら優勝』などはあえて考えなかった。シンプルに目の前の勝ちにこだわれた結果、優勝できたと思う。前半はハンドリングのミスが相手より多いながらも同点で折り返せたので、ミスさえ減らせれば勝てると思っていた。全国大会はトーナメント制で負けたら終わりなので、一戦必勝の思いで日本一を目指したい」

▽天理大・FBジョシュア・ケレビ
「フィジーの父の紹介で自分が天理大に来て、初めての優勝を迎えた。2週間後は大学選手権で関東の大学と戦う。準備が大事だと思うのでしっかりしたい。最後なので、いつも通りのプレーで臨みたい」

▽同志社大・山神孝志監督
「前半は戦えたが、後半は攻めるチャンスをもらえなかった。素晴らしい戦いをされた形。攻め切れなかった。キックを使いながらいこうとしたが、逆にキックを多彩に使われたことが点差が離れた一つの原因。ディフェンスではファーストタックルがしっかり決まらず、向こうのアタックに対応できなかった。レベルの高いゲームだったと思う。今年の関西はレベルの高い世代。同志社も決して弱いチームではない。強い天理と試合ができたことは大学選手権につながると思う。年内は残り2試合。選手権でベスト4に残りたい」

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