総来場者数4万人を超える関西大の統一学園祭。メインキャンパスの千里山での開催だけでなく、高槻キャンパスや堺キャンパスでのイベントも例年大きな盛り上がりをみせている。各キャンパスの特設ステージでは、学園祭実行委員会が主催するダンスコンテストや、有志の学生によるバンド演奏が行われるなか、1人の学生によるラップステージが注目を集めた。

 ラップを行うのは時田紅一郎さん(文・3年)。北海道出身で現在は寮生活をしている。歌詞を自作し2年前から学園祭で披露している。自作のラップを始めたのは、高校3年。「ラップバトルの動画を見ていて、ほんの思いつきで始めた」と振り返る。作ったラップをアカペラで、仲の良い同級生に披露したことも。

 初めてステージに立ったのは、大学1年。中高の学園祭ではあまり目立てなかったことがきっかけの一つだという。「前日のリハーサルでは、実行委員からの評判も良く、当日はお客さんのウケも良かったのでうれしかった」と笑顔で話した。

 高槻キャンパスと堺キャンパスを含め、計5回学園祭に出演した時田さん。ステージを重ねるうちに、自身の中で変化したことも。「昔はコメディ色が強くて、お客さんを笑わせたかった。最近は自分のリアルを書いた歌詞が多い。お客さんの見たいものと自分のしたいことがずれているのかも。両立を目指して書いた歌詞もある(下記『Send me a light』)」と話した。

 昨年の冬には自身のラップを動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿。精力的に活動をしているが、来年の学園祭出演はまだ分からないと話す。「今まで見てくれた先輩たちが卒業して、自分も就活が始まるので出ないかもしれない。こんなこと言っておいて来年には、出るって言ってそうだけど」と笑みをみせた。 【聞き手=松島裕規】

vol330