関西学生野球秋季リーグ、関西大-立命館大の優勝決定戦が、10月24日わかさスタジアム京都で行われた。関大は3回、二死から4番安井の安打と敵失で一、三塁の好機をつくり、暴投の間に先制点を奪う。さらに走者を三塁に置き、6番土井が左前へ適時打を放ちこの回2得点。続く4回には8番久米の内野安打、9番吉川の四球、1番多田の内野安打で無死満塁とし、2番阪本将の犠飛で追加点を挙げる。その後二死一、三塁から安井が2点適時二塁打を放ちリードを広げる。直後に失策二つと暴投で2点、続く5回にも1点を返され、立命の追い上げにあう。しかし、6回に3番古川の犠飛、7回には久米の適時二塁打で得点。追い上げる立命をじわじわと引き離す。9回にも久米の適時打で加点し、8ー3と差をつけた。投げては吉川、阪本大が9安打を浴びながらも、粘りの投球でリードを守り切った。熾烈な優勝決定戦を制した関大が、4季ぶり35度目のリーグ優勝を手にした。関大は明治神宮野球大会出場をかけ、29日から行われる関西地区代表決定戦に臨む。

関大 002 301 101=8
立命 000 210 000=3

【関大】○吉川、阪本大-久米
【立命】●黒田、岡本、小橋、山上、佐治-栃尾、佐野
二塁打:安井、久米(関大)、辰己(立命)

【試合後のコメント】
▽関西大・早瀬万豊監督
「選手たちはたくましくなってくれた。(今シーズンを通して)前半戦は投手がよく頑張ってくれて、後半は打線がつながってくれて、結果的にはうまくかみ合った。阪本がけがで出遅れて投手陣に不安はあったが、山本と濱田が力を付けてくれた。山本は特に十分な投球をしてくれて、これからが楽しみ。近大戦と立命戦で2回完封したのが大きかった。最近の試合は、後半の粘りとビハインドの状況から逆転するというもの。成長してたくましくなったのを象徴してくれたのが今日の試合。最後までよく戦ったと思う。今は4連戦で疲れているので、ゆっくり調整して代表決定戦で思い切り野球をやらせてあげたい。いい選手はそろっている。後は私の采配次第。代表決定戦も勝って、神宮でも野球をさせてあげたい」

▽関西大・松山和哉主将
「関関戦で一敗して崖っぷちの状況から、負けて終わるのは嫌だと思って、同立戦の結果は関係なく『勝ち点を落とさないように』と気を引きしめた。その気持ちが生んだ(関関戦)2連勝。高校時代から優勝は経験したことがない。思わず涙が出た。2年前に神宮で試合をしたときは、自分はスタンドで見ていて(プレーしている選手が)羨ましかった。立命に勝ったという自信はある。代表決定戦で勝って、関西の代表として神宮に行く」

▽関西大・吉川峻平選手
「最後は自分で投げて勝ちたいという思いがあった。先発登板について聞いたのは今日。昨日の夜から吐き気がするくらいの緊張感があったが、球場に着いてからは開き直って『よしやるぞ』という気持ちになった。立命には6節のときに2敗してしまって勝ち点を落としたので、『絶対勝ちたい』という強い気持ちがあった。優勝という形で終われて良かった。周りのみんなのおかげです」

▽関西大・阪本大樹投手
「今シーズンはずっと調子が悪くて、迷惑をかけてきたけど、最後に大事な場面に出させてもらえて、感謝の気持ちです。最後の打者を打ち取ったボールは真っすぐ。最後に自分らしい『気持ちで押していく』ピッチングができた」

▽関西大・安井洸貴選手
「今日の試合は4番が打たないと勝てない試合だと思っていた。優勝の可能性が少ない中で戦って、優勝という結果で終われてうれしい。リーグ戦の最初は調子が悪かったが、最終節になって調子が上がった。楽しんでいこうと開き直ったのが良い結果につながった。(次の代決に向けて)ここまで来たら勝つしかない。負けてしまっては、優勝した意味がない。一つ一つ勝っていく」

▽関西大・久米健夫選手
「一番いいところで打てて結果が出た。1点でも多く取りたい、相手に勝ちたいという執念が結果につながった。前日までは自分の中で立命に勝てるイメージがなかった。あったのは勝ちたいという気持ちだけ。試合中は一分一秒気が緩むことはなく、最後まで全員が気を引きしめた。勝ちたいという執念と、4年生の意地が生んだ勝利です」

▽関西大・山本隆広投手
「関関戦の初戦は、特別な緊張はなかったが、真っすぐが思った通りに投げられなかった。1戦目で負けてしまって優勝が遠のいたが、2戦目でリリーフ登板を任されて負けなかったのが、優勝につながった。(最優秀選手賞・最優秀投手賞を受賞して)タイトルは野球人生の中で初めてで素直にうれしい。チームが優勝した結果でもらえるタイトル。ずっとチームの優勝に貢献することを目標にやってきた結果。次の代表決定戦も勝利にこだわって、自分の役割を果たしていきたい」

▽立命館大・後藤昇監督
「目の前で胴上げされるのは一番嫌だった。残念です。2点までは良かったが、その後3失点したのが痛かった。エラーばかりでこちらが点をあげたような感じ。勝負所で打たれて、こちらは打てない。打てないと負けるし、点を取られると負ける」

▽立命館大・高島勇弥主将
「序盤から点を取られて相手のペースになったのが敗因。あれだけ取られると巻き返すのに時間がかかる。その間に試合が終わってしまった。今日は気持ちや集中力はあったが、あまりいい方に転ばなかった。今年のチームは代打や代走など、代わりで出た選手がそれぞれ結果を残して、総力戦で戦っていてチームのまとまりを感じた。これでおわりかと思うと寂しい。主将としてあまりちゃんとしたことを言ってこなかったが、(4年生の)明るいメンバーが支えてくれた。『ありがとう』と言いたい。監督は自分たちが野球をやりやすいように、気分が乗りやすいように、楽しい野球をさせてくれた。大学野球で一番印象に残っているのは立同戦の3試合。一敗して後のない状況から、一点差で勝って、最後はサヨナラ勝ちできた。いい思い出。終わってみてから『野球って楽しいな』と感じた。負けた悔しさは後輩たちがバネにして、絶対負けないチームをつくってほしい」

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