【9・10月号掲載】【アメフト】立命 日本一目指し始動
昨年、5年ぶりに学生王者に輝いた立命館大。今年は追う側ではなく、追われる側として秋のシーズンを迎える。
チームの主将を務めるのはOL西(4年)。春シーズンを振り返り、「まだまだ基礎の力が足りないと実感した」と話す。6月に行われた神戸ボウルでは、今年のライスボウルで戦ったパナソニックとの再戦となった。試合を通して「社会人は基本的なことを徹底している。筋力や体力などアメフトの軸となる力が十分にあり、その上に個々の優れた技術があることで総合的な強さを持っている」と西は語った。
春に行われた全試合で、学生相手には負けなしという結果だったが「内容としてはボロボロ。一人一人の弱さが見えていた」と西は厳しい評価をした。印象に残った試合を聞くと「京都大の選手はボールへの執着心があったが、立命の選手にはそれが足りない」と振り返る。勝利した試合でも、多くの課題が見えてきたようだ。
今年の夏合宿も例年同様、北海道で実施。筋力の増加やプレーの精度向上を目標に合宿へ挑んだ。1日ごとに自分で達成できる目標を立てて練習に取り組み、個人が何をするべきか理解して過ごすことができた。シーズン初戦へ、また社会人に勝利を収め、日本一になる最終目標に向けて選手一人一人が課題に向き合った。アメフトだけに集中できる良い環境だったという。
「今年は昨年とは別。昨年はあくまで先輩たちの力で勝利し学生王者となった。自分たちの力でつかみ取った訳ではない。ゼロからのスタートという気持ちで挑んでいきたい」と西は決意を新たに語った。
◎快勝もミス連発
迎えたシーズン初戦。対戦相手は、今年5年ぶりに1部リーグに上がってきた甲南大だ。立命は第1Qから流れをつかむと、開始2分もたたないうちにエースのRB西村七(3年)が54ヤードにも及ぶロングランからそのままTD。勢いづくと、第2Qに4度のTDを成功させる。ディフェンスも相手にTDを許すことなく、失点をFGだけにとどめた。攻守共に機能し、合計7度のTDを奪い甲南大を圧倒した。
試合後、米倉監督は「西村もWR渡邉もしっかり点を取ってくれたのは良かった。一方で、全体としては練習から出ていたファンブルなどのミスが出てしまった。今日の試合で満足している選手がいないことが、唯一の救いだ。これでは関西学院大や関西大、京大には通用しない」と大量得点での勝利にもかかわらず、厳しく評価した。
最終目標は1部リーグに残ることではなく、あくまでリーグ2連覇を果たし社会人チームを倒すこと。一戦一戦を積み重ねていくことが重要だ。
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