大阪大は「いつも勉強に追われているダウナー系のメガネ」、関西学院大は「きれいでおしゃれな家に住むお坊ちゃま」、同志社大は「育ちのいい物腰柔らかな爽やかイケメン」……。ネピアさんの作品に登場するキャラクターたちだ。ネピアさんは全国にある大学の校風や学生の雰囲気などを、キャラの性格や行動に反映させ擬人化。主に4こまのギャグ漫画を描き、インターネット上や同人誌即売会などで発表している。

 これまでには「単位が大阪湾に埋まっている」というジョークがあるほど難しいとされる阪大の試験の難しさや、関学のキャンパスの豪華さなどをギャグに落とし込んだ。基本は読み切りの4こま作品だが、時には話が続くこともある。

 元々、高校時代に大学をネタにしたSS(ネット上などに投稿される短い小説)を読んで、面白いと思ったのがきっかけ。大学2年の時、実際に漫画を描き始めた。現在も漫画を掲載しているブログ「H.O.K」を始めたのは大学3年の頃だ。

 最初は関東で知名度の高い東京の6大学(早稲田・慶應義塾・法政・明治・東京・立教)から描き始めた。話のネタは所属していたサークルの友達や他大学の知り合いにもらったり、自分でネット検索したりして入手。次第に、ブログのアンケートやメールなどでも閲覧者から情報やリクエストが来るようになった。

 「(大学を)人間一人に表してみたらこんな感じになるかな」と考えながらキャラを作っているという。キャラができたら、仕入れたネタを基にストーリーを構成。擬人化のみに重きを置くのではなく、ギャグとしても面白いものを目指し漫画を描く。

 気を付けているのはキャラを強調しすぎないこと。在学生や出身者を不快にさせないよう、表現のバランスを考えるという。実際はなかなかうまくいかないとネピアさんは言うが「イメージ通りです」「卒業生ですが、昔も今も変わらないですね」といった感想をもらうことも。メッセージには「このサイトを見て志望校を決め、合格しました」というのまであったという。「読んで下さった方から感想をもらったときが一番うれしい」。

 大学時代から書き始め、社会人となった今も漫画を描き続けている。「できるだけ多くの人に読んでもらいたい」と話すネピアさん。大学擬人化漫画はまだまだ続く。

(聞き手=前山幸一)


ブログ「H.O.K」に掲載されている
ネピアさんのマンガ
H.O.K URL(http://hokuniv.web.fc2.com/)

vol.322