2013年4月に開設された龍谷大深草町家キャンパス。築150年以上の町家を改修してできており、ゼミや講義、サークル活動での学生の利用だけでなく、地域住民との交流拠点としても利用されている。

 「町家」とは本来、都市型の住宅や民家の一種を指す。キャンパスとなった町家は、元々、取り壊しが検討されていた。「人が住まなくなり、管理が難しくなっていたが、貴重な伝統家屋を取り壊すのはもったいない。教育の場として活用できないか」という所有者の意向から、龍谷大が施設を借り受け、建物本来の趣を残したまま大学の学び舎として生まれ変わった。
 現在は同大のキャンパスとなった町家だが、主な管理、運営はNPO法人深草・龍谷町家コミュニティが担う。大学の直轄ではなく、あえてNPOに運営を委託することで、幅広く柔軟な活用ができるという。

 地域の住民との交流イベントはNPO法人が企画するものや、学生有志が企画するものもある。衰退した地場産業の深草うちわ作り教室や、留学生も交えた日本文化教室など、町家という伝統家屋を活かしたイベントがあり、地域の人や学生など年々利用する人は増えてきている。
 深草・龍谷町家コミュニティの佐野光平氏は「深草の歴史を教えてもらうなど、地域の方とのつながりは深まっているように思う。学生とお年寄りなど、世代関係なく交流できる拠点にしていきたい」と今後の展望を語った。  
ネットアップ町屋外観

ネットアップ巽さん 

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