【6・7月号掲載】2017年卒生 就活 ヤマ場に突入
2017年春卒業予定の学生を対象とした選考活動が6月から解禁された。昨年11月に、経団連が採用選考指針を変更。今年の就職活動事情を、企業と学生それぞれの立場から迫る。
■2年連続のスケジュール変更
15年卒は広報活動の解禁が12月、選考解禁が4月だったが、16年卒は解禁時期がそれぞれ3月と8月へと変更された。しかし就活の中だるみや長期化による学業への悪影響が指摘され、17年卒の選考解禁は6月に前倒しされた。「今年は多くの学生が広報解禁から短期間でエントリーシートの提出、採用選考に追われ、焦る人が多かった」と、就活サイト「JOBRASS(ジョブラス)」を提供するアイデムの岡崎幸宏さんは話す。
■「2020年問題」新卒採用にも
1980年代後半に入社した「バブル期入社組」が20年に50歳代となり、ポスト不足などが問題視されている「2020年問題」。バブル期入社組がポストや人件費を占領することで若年層にしわ寄せが及ぶという懸念がある。しかし「近年は20年を見据え、主に大手企業が優秀な学生を獲得しようと、多く内定を出す傾向にある」と岡崎さん。リクルートワークス研究所によると来春の大卒求人倍率は1・74倍で、前年と比べ0・01ポイント上昇。5年連続の増加だ。
■明確なビジョンを持って就活へ
岡崎さんは「今年の就活戦線はインターンシップや企業説明会への参加など、早めに動いたかどうかで明暗が分かれた」と話す。実際、早期に就活の準備をした学生は、内定を得た時期も早かった。18年卒の学生には「就活情報サイトだけでなく、企業のウェブサイトから情報を入手することも大事。自分のスキルを高め、必要な情報を集めていくべき」とアドバイスを送る。
■打ち込んだ経験「就活に生きた」
一方、インターンシップに参加せず就活に挑んだ学生もいた。6月22日現在、内々定を5社から得ている Aさん。3月上旬の学内説明会を受けてから、月末までには志望する業界を絞り込んでいたという。面接などを経験する中で「これまでの3年間で勉強やサークルに打ち込んだ経験を持っておくことは大きい。企業は実績よりもプロセスを見る。試行錯誤した経験は就活でもプラスに評価された」と話す。 学生生活の充実も、就活のカギとなるようだ。
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