VOL.312 あなたの一票を待っている
7月6日・7日、大阪大学豊中キャンパス内の大阪大学会館21世紀懐徳堂スタジオにて、豊中市と阪大の連携のもと第24回参議院議員通常選挙の期日前投票所が設置された。豊中市民と、不在者投票制度を利用して投票する人が対象だ。選挙権年齢が18歳に引き下げられてから初めての国政選挙。豊中市選挙管理委員会と、大阪大学企画部 男女共同参画推進・社学連携課の担当者を取材したほか、投票した有権者にインタビューを行った。
豊中キャンパスに期日前投票所が設置されるのは今回が4度目。おととしに実施された豊中市議会補欠選挙の投票率が低かったことを受け、選挙管理委員会は、投票率の向上を目指して昨年から阪大内に投票所を設置し始めた。選挙権年齢が18歳に引き下げられることがすでに決まっていたことから、学生の投票を期待した部分も大きい。
しかし、学生の投票率は低かったという。「ほとんどの入場者は豊中市民。学生は1、2割だった」と豊中市議会の選挙管理委員会の担当者は話す。
今回は選挙権年齢が引き下げられて初めての国政選挙。「多くの学生が不在者投票制度を利用している」と担当者は語る。学内の投票所の認知度や選挙への注目度が高まったことで、多くの学生が投票したと見られる。2日間で484人が投票したが、うち約200人が学生だった。
投票者はどう考えているのか。「キャンパス内の投票所は近くて便利」と、近隣在住の80代の夫婦は話す。「若者にも、ぜひ選挙に来てほしい」。またある20歳の学生は、「3日前に手続きをすませて不在者投票をした。初めての選挙でどこにいれようか悩んだが、今後も選挙に来たいと考えている」。
一方、「不在者投票の制度をよく調べていなかったので、投票できなかった。当日改めて投票に行こうと思う」という19歳の新有権者もいた。期日前投票や不在者投票の制度がより認知されることが課題のようだ。
市の選挙管理委員会は、選挙権年齢引き下げを受けて高校への出前授業などの取り組みも始めている。若者に政治参加への意識が浸透するまでには時間がかかるかもしれないが、「若者よ、選挙に行こう」という想いで、選挙管理委員会と大学は今後も連携を続ける予定だ。
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