140キロ後半のストレートを武器に、ことしは昨年以上の活躍が期待される近畿大の畠。昨年は、秋季にリーグタイ記録となる3試合連続の完封勝利を挙げるなど、4完封を含む自己最多の6勝をマークし、ポテンシャルの高さを発揮した。しかし畠は「秋季リーグの成績には満足していない」と自らを厳しく評価する。

 「大事な試合で自分の投球ができなかった」と話すように、開幕から続いた3試合連続完封の後、関大、立命を相手に3連敗。立命戦では、2戦連続で5回持たずにノックアウトされるなど精彩を欠いた。「優勝に近づくにつれて力んでしまった。精神的な弱さが出た」と昨季を振り返る。

 シーズンオフは自らに厳しい練習を課し精神力を鍛えた。「練習で妥協していては弱い自分に勝てない」と今までの自分との決別を誓った。

 また、ことしから投手陣のリーダーに就任。「チームを引っ張っていく責任感が自分を精神的に強くさせている」。練習で人一倍大きな声を出しチームを鼓舞する姿から、リーダーの自覚をのぞかせる。

 今シーズンは「負けない投手」を目指す。「いくら近大が勝っても、自分が負けていては優勝できない」とエースとしての覚悟は十分。田中監督は「投げれば勝つくらいのつもりで、責任感を持ってやってもらいたい」とコメント。エースとして勝利へ導く投球ができるか、挑戦はすでに始まっている。