学生起業家の竹村知紘さん(京都産業大・4年)は昨秋、石焼き芋屋を開業した。3月末まで京都市や大阪府茨木市を中心に軽トラックで販売を行う。

 開業のきっかけは、自身が運営するシェアハウスに住む学生の祖父、瀬崎信一さんが石焼き芋屋を営んでいることだった。瀬崎さんに弟子入りし、焼き芋機の使い方や接客方法を学んだ。ちょうど引退を考えていたという瀬崎さんから軽トラックを譲り受け、12月には本格的に石焼き芋屋としてのデビューを果たした。

 焼き芋に使う芋は、竹村さんが種子島に渡り農家に直接交渉して仕入れルートを確保した安納芋と、瀬崎さんがもともと仕入れていた鳴門金時。「芋が9割、焼き芋機が1割といわれるほど、おいしい焼き芋を作るには芋が重要なんです」。甘さを出すためにじっくりと1時間半焼き上げるのもコツだ。

 この春大学を卒業するが、就職はせず実業家として歩んでいく竹村さん。来秋も石焼き芋を販売する予定だ。「軽トラックの外装をオシャレなデザインにしたり、焼き芋を包装するための袋などを工夫したりと、もっと若い人に注目してもらえるようにしていきたい」。石焼き芋屋の新たな道を切り開いていく。