第64回全日本大学サッカー選手権大会の決勝戦が12月19日、浦和駒場スタジアムで行われ、関西学院大(関西第一代表/総理大臣優勝枠)が阪南大(関西第二代表)を下し初優勝。大会最優秀選手には関学から主将のDF井筒が選ばれた。関学は関西学生選手権、総理大臣杯、関西学生リーグに続き、インカレをも制覇し大学4冠を達成した。

 第34回大会以来、30年ぶりの関西対決となったインカレ決勝。「相手に不足はない。関東の観客の前で阪南大と僕たちが試合できるということは意味がある」とDF井筒(徳島ヴォルティス内定)は準決勝の試合後、決勝に向けて意気込んだ。

 関学は絶対的エースFW呉屋(ガンバ大阪内定)が累積警告による出場停止となるなど、関西のライバルを相手に苦しい展開が予想された。それでも今年の関学は一味違う。「『呉屋さんがいないと勝てない』。それだけは周りから言われたくなかった」とFW出岡。エースの出場停止がチームに火を付けた。14分、MF小林(ヴィッセル神戸内定)のパスを中央で受けるとDFを背負いながら左足を振りぬき先制に成功。28分には、CKのこぼれ球から追加点を奪った。さらにDF米原のゴールで3点差とし迎えた41分にも、MF福冨のパスから抜け出し、冷静に流し込み4点目。出岡は前半だけでハットトリックを達成。関学を悲願のインカレ制覇へと導いた。

 「一年を締めくくるにふさわしい大会となった」と主将の井筒。準々決勝では昨年の決勝で敗れた因縁の相手流通経済大、準決勝では関東のスター軍団明治大を破り決勝まで勝ち進んだ。そして決勝では関西のライバル阪南大を下した。「この大会を勝ち抜いてこそ真の日本一」。大会前、エースの呉屋は語った。言葉通り、関学が「真の日本一」となった。