戦時中、インドネシアに配属された日本人男性とインドネシア系オランダ人女性の間に生まれた子どもたちを追ったドキュメンタリー映画「子供たちの涙〜日本人の父を探し求めて〜」が23日から29日、元町映画館(神戸市中央区)で上映される。公開を記念しトークセッションを23日と24日に開催。砂田有紀監督に加え、23日は神戸大の土佐弘之教授、24日は学生らが参加する。

 映画には、主人公らが感じる父親がいない寂しさを50分に込めたという。「自分と重ねて見てほしい」と語る砂田監督。「間接的に、戦争が悲惨でやってはいけないことだとも感じてもらえれば」と話した。

 24日のトークセッションは、「葛藤から和解へ〜70年前の戦争の悲劇をどう未来に受け継いでゆくのか〜」がテーマ。映画の内容に関しての意見交換をするほか、戦争の証言者が減りつつある中で若者に何を伝えるかなどについて話し合う予定だ。

 期間中は、砂田監督が大学院の卒業時に制作した「兵隊だったおじいちゃんへ」も同時上映する。神戸商業大(現神戸大)を卒業しビルマで英国兵らと戦うも、戦後英国兵との和解活動に奔走した祖父の足取りを孫が追う物語。制作をきっかけに「子供たちの涙」の主人公らの存在を知ったという。