【ラグビー】2点差で同志社10年ぶりの4強届かず
◇第52回全国大学選手権大会セカンドステージ第3戦(27日・皇子山総合運動公園陸上競技場)
●同志社大31-33大東文化大◯
10年振りの関西勢準決勝進出をかけ戦った同志社大。だが、互角の戦いを制したのは大東文化大だった。試合開始1分でCTB戸室にトライを決められてしまう。前半15分にもWTB中川がトライを決め流れは大東文化大に。しかしライン間際でのモールでチーム一体となり相手を押し、NO.8秦が前半34分にトライを決めると38分にWTB氏家も続く。前半を14-14にし、勝負は後半にもつれ込んだ。後半にNO.8秦が3トライを決めこのまま逃げ切るかと思われた同志社だったが、徐々に大東文化大が追い上げを見せる。勝利が近づくにつれ出て来た甘さが、パス時にボールを落とす小さな、だが試合の勝敗を変えた大きなミスに現れた。
ラインアウトモールから4度トライを決めた今日の試合、5度目を狙うもジャンプで大東文化大がボールを手にした。才田主将は「2点差ってのは何だったのか後輩には考えてもらって、頑張ってもらえれば」と語る。関西王者となった同志社大を背負って来た男の目には、涙が光っていた。
【試合後コメント】
〜同志社大・山神孝志監督〜
「大東文化大に対して、前半15分から20分は抑えていこうと。勢いを出させないで。だが簡単なトライを2本許してしまった。それから外国人選手、特にNO.8(アマト・ファタカヴァ)やSH小山くんをしっかり止めようと。徐々にでき始めた。今季やって来たところしっかり出てきたな。4年生は終わるわけですから、40分思いっきり戦って、準決勝10年ぶりに運良く行けてほしいと。モールしっかりと持っていけたのは同志社の力。後半20分、大東文化大のパワフルなLO長谷川にタックルが甘くなって、ディフェンスに回らざるを得なくなった。長谷川は日本人離れしたパワー。タックルでしっかりと(対応)。それからかなり回し合って。大東文化大さんのことしのチームの成長を見せてもらった。3勝されたチームだから・・・・・・。大東文化大のCTB特に13番戸室は足が速いんで注意してたんですがやってみるとパワーもあった。ラインアウトのミスを(同志社が)誘っていた。相手を探りながらエリアを取って。もうちょっとほんとはああ言う戦い方をしたかった。(大東文化大のディフェンスが)飛び出してくるのは予想通り。逃げずにすれ違っていこうと。だが途中から出て来れなくなってた」
「フィジカル、逃げない。ブレイクダウンを150なら180に、しっかり磨いていく。1年間、早い段階からしていた。だがボールを動かしながらサポートしていく要求増えていく」
「同志社の力が一歩足りなかった。フィフティー・フィフティーなんですけどね。関東には対抗できるな。もう少し一人一人が力を上げること。もう一歩わき上がるような、本当の意味で関東に勝てるように。だが2年前強いなと思ったチームに勝てるな、と思った。想像していたよりプレッシャーあったんでしょうね。それが最後の10分に勝ちきれなかった理由かな。監督としては(チームに)やっと手応えが出て、終わってしまうのが残念。監督として勝たせてやれなかったのは責任がある」
〜同志社大・才田聖キャプテン〜
「前半2本(トライを)取られたことが今日の試合の敗因。乗らせると止まらないチームを乗らせてしまったのがだめ。フォワード・バックス一体となって同志社ラグビーができた。この一週間練習してきた。受けずにどんどん切っていこうと」
「(試合終了直前の選択に対し)4トライ以上で勝たないといけないというのが念頭にあった。ショットという考えもあったが、ラインとモール、15人で決めた。ラインとモールに関してはディフェンスを見ていると(大東文化大は)後ろの方が手薄。そこの練習していた。最後、(取れなかったが)真っ向勝負でフォワードでいこうと。僕はショットが良かったとか思いたくない。フィフティー・フィフティーのところがあるのでしゃーない。とにかく取りきるって練習してきた。取れなかったということは、大東文化大のディフェンスが一歩上だった」
「自分では出し切ったゲームだった。ちょっとずつですけど(関東に)近づいてきている。2点差というのは近いようで遠いと思う。2点差ってのは何だったのか後輩には考えてもらって、頑張ってもらえれば。来年こそ同志社が正月を超えて日本一になることを願っています」
〜同志社大・松井千士選手〜
「逆転して、点も入ってきて、もう少しでベスト4というところで、少し甘い気持ちになった。そこを突かれた。関西リーグで8年ぶりに優勝し、良い状態だった。ラスト10分甘さが出てしまった。(甘さを改善するのに必要なのは)日頃の練習。追い込んでやってきたという自信もあったが、どこか甘い部分もあったのでは。(大東文化大戦で)役目であるトライができなかった。チームや4年生に申し訳ない。次は最終学年。こんな悔しい思いはしたくない。先輩が築き上げたものを無駄にしたくない」
〜大東文化大・青柳勝彦監督〜
「素直にうれしい。接戦になるだろうとは思っていましたが。諦めない気持ちってのが心に入ってたので逆転することができた。若干選手の配置変えたのがディフェンスに機能して前でプレッシャー与えた。変わったのは筑波大戦。前に出るディフェンスで、こうすれば勝てるのかと自信につながった」
「(ジャンプは)ハイリスクハイリターン。だが先に止めておいた方が。そっちの方を優先している」
〜大東文化大・本間優キャプテン〜
「自分も正直に勝ちたいと思って試合に臨んだ。なかなかペナルティでペースが掴めない中、最後まで諦めない気持ちで逆転しようってプレーした結果。いつも最初の入り、自分たちのペースを掴めてトライがとれる。もう1本とって突き放しにいこうと。『落ちついて冷静にアタックすれば点取れるから』と。前半追いつかれたのは仕方ない。力の差もあまりなかった。後半、自分たちのペナルティからモールで何本もトライを取られた。チームの中で(気持ちが)落ちている選手もいたが、中心選手が『ここで負けるチームじゃない。勝ちに来たんだろ。最後まで切らすな』と言ってくれた」
「自分たちはラインアウト、全部ジャンプして取りにいこうと。自分たちのやってきたこと信じていこう。ダメでもすぐにディフェンスしようとチームが思い一つになっていた」
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