古びた公共施設をアートへ
京都造形芸術大の学生らが撮影した写真がFacebookで話題を呼んでいる。被写体は西宮市にあるダムや浄水場などの公共施設。写真が投稿されている「無名の彫刻」というアカウントには、これまでに350を超える「いいね!」が寄せられている。
西宮市は元々6月から市が所有する公共施設などの撮影を開始していた。同大の学生が撮影を行うきっかけとなったのは、今年の夏、同大の椿昇教授(美術工芸)が学生有志を募ったことだった。普段一般人が立ち入り禁止の場所での撮影に入り、シャッターを切る。選別や編集を経て、Facebookに「無名の彫刻」として写真を掲載した。
撮影に参加した野々下禄斗(ろくと)さん(同大・4年)は「今回撮影した場所は老朽化した施設や使われなくなった施設。人から見向きされないような場所にスポットを当てて、写真を見る人の目を引くように切り取ろうと思った」と振り返る。また、今回の撮影をきっかけに、かつて浄水場だった場所に自ら足を運ぶなど、公共施設に目を向けるようになったという野々下さん。「現在使われている施設もいずれ古びて使われなくなっていく。今後、日本の都市風景がどうなっていくのかを考える契機にもなった」と語った。
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