安重根の書 龍谷大図書館に
龍谷大学図書館は、広島県の寺院から韓国の独立運動家・安重根(アンジュングン)が残した遺墨の寄託を受けた。同館は、安重根関連の資料をはじめ、教育・研究への活用と保全のために多くの資料を保管している。
今回寄託を受けたのは「獨立(どくりつ)」と書かれた遺墨。安重根が1910年3月に旅順の監獄で処刑される前に、監獄内で書き残したものだ。当時、監獄の看守であった人物に、安重根が感謝の意を込めて手渡した書だという。看守はその後、遺墨を広島県の願舩寺(浄土真宗本願寺派)に持ち帰り、同寺院が所蔵してきたが、劣化が進行。龍谷大が同じ西本願寺(浄土真宗本願寺派)の宗門大学ということなどを踏まえ、今回の寄託が実現した。
同館の担当者は「獨立」について、現在のところ一般公開する予定はないというが、同館では利用者向けに毎年3月と10月、安重根の遺墨や関連資料などの展示を行っている。その上で、「本学での展観(展示)や安重根を研究されている国内外の研究者への閲覧などを通じて、寄託資料の活用を進めていきたい」としている。
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