ことしで創立100周年を迎える大阪音楽大の記念ワイン「Opera」を、大学外部の市民・役所などが街ぐるみで同大を盛り上げようと共同製作した。仕上げにオペラを聞かせ完成させたオリジナルワインは、100本が限定販売されたがすでに完売になるほどの人気ぶりだ。

  「最高のオペラを、聴かせたワイン」と題し製作されたOperaは、大阪音楽大学ザ・カレッジ・オペラハウスで2011年に上演された、モーツアルトの「魔笛」を聞かせて仕上げた。魔笛の登場人物・タミーノ王子は、魔法の笛と鈴の力で試練を乗り越え、幸せを手にする。同大の担当者は「この記念ワインがよりいっそうおいしくなるように、また飲んだ方に力が宿ることを期待し、魔笛を仕上げに聞かせました」と言う。

 大人数からなる総合芸術のオペラは、多くの人の手によって作られるワインと通ずるところがある。そこから100周年を祝う記念品はワインにしたいと本田耕一副理事長が発案し、約1年半前に企画がスタートした。大阪音大はオペラ劇場を備え、一部カリキュラムにオペラ実習を置くなど、本格的なオペラ教育を行っている。また「ヨーロッパの文化を吸収し、大学として日本人に合うものを提供したいというのは音楽もワインも同じ」と、販売を行うワイン専門店「北摂ワインズ」(大阪府箕面市)の冨鶴高社長は話す。

 Operaを「華やかで軽やかな透明感のある、エレガントな味わい」と評する冨鶴社長。販売以外に、15日に行われた記念式典のほか、10月30日・11月1日の創立100周年記念オペラ公演歌劇「ファルスタッフ」のA席でも振る舞われる予定だ。「音楽を聴きながら、オペラを見ながら、みんなでワイワイしながら、(Operaを飲んで)音大100周年を一緒に祝っていただけたら」。