学生ジャズの腕利き 大阪に集結
関西9大学のジャズ研究会が出演するイベント「Jazz Party 2015」(以下、JP)が11日、池田市民文化会館アゼリアホール(大阪府)で開催された。各大学から選ばれたバンドが日頃の練習の成果を出し切り、聴衆にジャズの魅力を伝えた。
今年で16回目を迎えたJPの特徴は「ジャズコンボ」と呼ばれる少人数編成のバンドばかりが出演することだ。実行委員長の川添浩輝さん(神戸大・3年)は「(大人数編成の)ビッグバンドや個人レベルでの他大学との交流はあるが、ジャズコンボでこれだけの大学がそろう機会はない」と話す。
トップバッターを務めたのは「甲南大学JAZZ研究会」のバンド。プロニスラウ・ケイパー作曲『インビテーション』の演奏ではサックス、トロンボーン、ドラムスの3人がアドリブの掛け合いを披露した。顔をほころばせ楽しみながら演奏する様子が、会場の盛り上がりを誘った。
「立命館大学JAZZ CLUB」のバンドは本番の数時間前にエレキギターの部品が外れたり、弦が切れたりするアクシデントに見舞われた。メンバーは会場近くのリサイクルショップへ走り、アコースティックギターの弦で代用。迎えた本番、トラブルにも負けない演奏を披露し、客席から拍手が沸き起こった。
トランペット奏者の横尾昌二郎さんらプロミュージシャン4人もゲストとして登場。関西大生時代にもJPに出演した横尾さんは「関西のジャズ文化の基盤となるイベントが長く続いているのは素晴らしい。若手のジャズシーンを皆さんで盛り上げてほしい」と語った。4人は各大学の有志と共に、ディジー・ガレスピー『チュニジアの夜』やジョン・コルトレーン『モーメンツ・ノーティス』をセッション。演奏後には横尾さんらが学生と固い握手を交わす様子が見られた。
兵庫県宝塚市から来た高齢の男性は「横尾さんのFacebookで知り来場した。期待していたレベルを超える演奏だった」と学生ジャズの余韻に浸っていた。
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