韓日食を感じて 大工大生ら体験ゲーム制作
日韓国交正常化50周年を受け、国立民族学博物館(大阪府吹田市)で特別展「韓日食博―わかちあい・おもてなしのかたち」が開催されている。国内の大学からは大阪工業大や京都造形芸術大が共催。学生らが発案し、工夫をこらした展示品が会場に設置されている。
2013年に韓国ではキムチを漬け込む「キムジャン文化」が、日本では「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録され、食への関心が高まっている。韓国は「分かち合い」、日本は「おもてなし」と形容されるそれぞれの国の文化の良さを展示に活かそうと、大工大の学生からなる「仮想ミュージアムプロジェクト」のメンバーらはアイデアを練った。
手がけた「仮想白菜キムチ造り体験システム」は、ゲームを通して体を動かしながらキムチ作りについて学ぶことができる。白菜の収穫からキムチのたれの材料選び、材料をかき混ぜるなど3つの工程をバーチャルリアリティ上で体験する。1人用もあるが2人で協力して行うプレイがあり、ゲームを通して相手と分かち合うことが狙いだ。そのため説明を最小限にし、分からない部分は2人で考えるよう設定されている。
「作品で人に影響を与えたいと思い参加した」と話すのは梁泳成(リャン・ヨンソン)さん(大工大・3年)。梁さんら5人でゲームの内容を考案し、プログラムからイラストまで全て自作したという。登場するキャラクターの声は同じ学科の友人に依頼。制作期間は6月から8月までと短く、またプログラミングを3人で分担したため、それぞれが担当した内容の相互確認に苦労したという。「少なくとも100回以上プレイしました」と言う彼らの笑顔の裏には、夏休みも返上したほどの努力があった。
他にも、職人の映像を手本にしながらハモ切り体験ができる「仮想包丁さばき体験システム」や、プロジェクションマッピングを使った「仮想たこ焼き体験システム」、音や映像から厨房内にいる疑似体験ができる「360度パノラマ厨房体験」などが設置されている。学生らが互いに切磋琢磨しながら制作した展示を通し、食を感じることができる。展示は11月10日まで。
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