2015年度関西学生野球連盟春季リーグ戦出場8試合、全日本大学野球選手権大会でもスタメン出場を果たし、強豪立命館大に頭角を表した1年生がいる。

 「天性の部分もあるので親に感謝しないといけないんですけど」とハニカミながら、「走・攻・守全部自信のないものはない」と頼もしく語る辰己涼介。

モットーは「野球を楽しむ」。初のベンチ入りで、1番ライトに抜てきされた春季リーグ戦第5節関大戦。1回戦(5月2日)では4打数2安打1盗塁と結果を残した。2回戦では二死満塁の場面で満塁ホームラン。3回戦でも適時打を放ち、3戦で13打数7安打1本塁打5打点という鮮烈なデビューを飾った。

「気楽にいけた。緊張よりも野球を楽しめた」と初出場を振り返る。満塁弾については「公式記録に残るホームランは人生で初めて。うれしかった」と笑みをこぼした。その一方で「春の開幕から試合に出るつもりでいた」と、自身の描いたビジョンとのギャップに悔しさをにじませた。

 プロ野球の試合を見たことをきっかけに、小学校1年生から野球を始めた。「言い過ぎかもしれないですけど、大学野球初出場は1ミリも緊張しなかったです」と語るのも憧れがあるからだ。好きな野球選手はイチロー。確実に記録を積み重ねるところ、有言実行なところを尊敬しているという。

 プロ野球への憧れは強く、自らの判断で中学時代から木製のバットを振っていた。金属バットで練習する習慣がなかったため高校時代はバッティングに自信を持てず、思うような結果も残せなかったという。しかし、大学野球は苦労なく木製バットに対応できた。「木の方がバッティングしていて楽しいです」

大学野球については、「高校よりも練習量が減る。いかに自主練に取り組むか、オン、オフの切り替えが重要」と語った。立命野球部については「野球のうまい先輩方は、高校野球の厳しさを経験している分優しい」と頬を緩ませ、雰囲気にもなじんだ様子。特に尊敬する先輩には『自分に厳しく黙々と練習に励む』桜井俊貴投手、『1番練習している』山足達也選手(遊撃手)をあげた。「こういう方たちがプロに行くんだなと感じる。追いつけ追い越せですね」。

 経験上、夏は調子が悪く結果が出なかったという辰己。大学では夏に試合がなくてよかったという一方、「暑すぎて自分の中で練習量が減ってしまい、調整が少し遅れている。今からもう一度上げていきたい」と意気込んだ。

 今季の立命館大のテーマの一つである走塁。「春は走塁面で怒られることが多かった。いかに速く次の塁に進めるかを意識したい。足は人並みより速いと思うのでもっといかしたい」。また、「低めの変化球に空振りが多かった。見極め、さばき方、広角に打てるように」と打撃面での課題もみえているようだ。

 「1日の過ごし方は寝るか野球をするか」。生粋の野球少年は、20安打以上、強肩を生かした守備力の向上を目標に掲げ、秋の飛躍を誓った。 

【一問一答】
◇野球を始めたきっかけ
プロ野球の試合を見て

◇好きな野球選手
イチロー(マイアミ・マーリンズ)

◇ライバル
特になし

◇モットー
野球を楽しむ

◇ゲン担ぎ
前日に鏡の前で素振りをすること

◇アピールポイント
キャシャな体とプレーのギャップ

◇チャームポイント
野球している所

◇好きな食べ物
チンジャオロース

◇好きな時間の過ごし方
音楽を聴きながらゴロゴロすること

◇今、日常生活で悩んでいること
もっと寝たい

●たつみ・りょうすけ(外野手)
右投左打
社高校出身
1996.12.27生
178cm・68kg
50m走5.8秒
遠投120m