【野球】【秋注目の新入生特集】近大打線の新たな核
リーグ優勝44回、春秋6回の日本一。名門・近畿大野球部の春季リーグ戦開幕オーダー、1番ライトにコールされたのは高岡佑一。入部したばかりの新入生だ。
「1年生で出られると思っていなかったので、緊張しました」。本人もその起用に驚きを隠せなかった。しかし春季リーグ戦を終えてみれば、打順は変われど全試合にスタメン出場。立命館大・古川昂樹(4年)と首位打者を争い、リーグ2位の打率.382をマーク、さらには外野手でベストナインに選出。全国から猛者が集うリーグで、1年生にして異例ともいえる活躍をみせた。
「とにかく1年生なので失敗を恐れやんと、思い切ってプレーする気持ちはずっと忘れずやっていました。リーグ戦中は後ろの打者につなぐ気持ちで、基本的に成績は意識しませんでした。チームが勝つためにどう打てばよいかを考えていました」
最大の持ち味は積極的なバッティング。「そこぐらいかな……」と謙虚な姿勢を崩さないが、田中秀昌監督も高岡の「思い切りのいいバッティング」を評価。心がけるのは初球スイング。「一打席の中で一番甘い球がくる。投手が最もストライクをとりにくい」。高校時代、実戦経験を重ねそう確信した。
指揮官をはじめ周囲から「真面目」といわれる性格。本人もプレースタイルは「ガチガチ」だという。「大学ではちょっとマシになったんですけど、野球のことになると全部が全部バーっと突っ込んでしまう」。その点で、チーム内の同じ外野手、宮本拓斗選手(2年)を「自分とは違い遊び心があり、柔らかく野球ができる。ああいう風な選手になりたい」と慕う。
智弁学園から近大へ舞台を移し、「高校では好きなだけ打撃練習ができたが、大学では本数などすべて管理される。少ない時間のなかで意識を高く持って練習できないと結果がでない。一本一本を大事にしている」と練習環境の変化を語る。常に試合を想定し、実戦にちかい練習を心がける。また、近大野球部については「打つというより守り勝つチーム」との印象を持つ。指導も守備に力をいれられているという。「『こういう打球はこういう取り方』とか、臨機応変に対応するための引き出しが増えた」
7月、ノック中打球に飛びつきあばら骨4本を骨折。秋のリーグ戦開幕には間に合わなかった。練習を再開したのは9月10日。秋季リーグ戦中の試合復帰を目指す。「もし試合に出させてもらえたら、とにかくチームの役に立ちたい。4年生は最後なので迷惑だけはかけたくない」
「全力プレー」がモットーの高岡。指揮官も彼を「ファイター」と称し闘志あふれるプレーを評価。「彼は前向きな気持ちがある。結果を残している子なので、戻ってきてほしい」と復帰を切望。近大の日本一奪回にはすでに欠かせない存在だ。対戦チームにとって彼の復帰が一番の脅威となるに違いない。
【一問一答】
◇野球を始めたきっかけ
プロ野球の優勝した時にするビールかけを見て野球をしたいと思った
◇好きな野球選手
森友哉(埼玉西武ライオンズ)
◇ライバル
なし
◇モットー
全力プレー
◇ゲン担ぎ
打席に入る前に常にバットを回して手首など柔らかくする
◇アピールポイント
積極的なバッティング
◇チャームポイント
常に笑っている
◇好きな食べ物
チャーハン
◇好きな時間の過ごし方
寝る
◇今、日常生活で悩んでいること
悩みがないこと
●たかおか・ゆういち(外野手)
右投左打
智弁学園出身
1996.7.17生まれ
170cm・70kg
50m走6.3秒
遠投100m
コメントを残す