関西学院大の学生らが、若者の日本酒離れを食い止めようと奮闘中だ。関学大国際学部の木本圭一教授のゼミ生らが中心となり、昨年6月から「日本酒振興(復興)プロジェクト」を開始。若者が日本酒を飲むきっかけとして、日本酒を使ったカクテルを提案するなどの活動を行ってきた。今年度になり、新メンバーで新たな企画にも臨む。

 昨年度は日本酒カクテルを用いて、日本酒のイメージ払拭を目指した。10月に行われる「西宮酒ぐらルネサンスと食フェア」にて、ブース出店をして日本酒カクテルを提供。他にも、バーテンダーを講師とした学生対象の日本酒カクテル講座や、11店のバーに協力を依頼し、各店オリジナルの日本酒カクテルを500円で飲むことができるイベントバルを行った。

 日本酒カクテルを通じた取り組みについて、「一定の成果はあった」と木本教授は振り返るが、課題も残った。日本酒の香りを残したままカクテルを作ることは難しく、香りが消えてしまえば普通のカクテルと変わらないという。「日本酒カクテル」では日本酒「そのもの」の復興にはつながらないと考えた。

 昨年度の反省を生かし、今年度は日本酒「そのもの」を扱っていく。現在は同大の人間福祉学部社会起業学科のゼミと連携し、日本酒の新たな飲み方を提案できるような商品の開発に取り組む。また、学生を対象とした日本酒に関する講座を予定しているほか、海外展開も視野に入れている。海外に日本酒を広めるべく、アジアでのブース出店などを検討中だ。

 同プロジェクトの浅野ことさん(関学大・3年)は「日本酒講座などを通してプロジェクトの知名度を上げ、もっと多角的にしていけたら」とプロジェクトの発展に意欲を見せる。