学生団体「自由と民主主義のための関西学生緊急行動(SEALDs KANSAI)」が、安全保障関連法案に反対するデモを21日に京都市で行い、2000人以上の参加者が集まった。

 デモは、現在安部政権が閣議決定を目指している安全保障法制を含めた関連法案を「戦争立法」と呼んで反対するもの。デモにはおよそ2200人が集結した。SEALDs KANSAIのメンバー(立命館大・修士課程)は「思った以上に人が集まり、意見は違ってもほとんどの人が『変だ』と感じていることが分かりました。こうやって声を可視化する機会が用意できて良かったと思います」と話す。
 SEALDsは、「Students Emergency Action for Liberal Democracy」の略で、メンバーは大学生や大学院生が主体で運営する団体。ラップ調の音楽に乗せて「戦争立法、反対」と訴えた。

◎参加した学生らの声
 デモでは、円山公園(京都市東山区)を出発し、四条河原町から三条大橋を通り、再び四条河原町まで回り京都市役所まで行進した。デモの先頭でスピーチした学生の一人(2年)は、名前や顔を見せることで就活などで不利になると考え、ためらったという。しかし「自分の思いを言わないままで就職しても、大切なものがなくなる気がしました。聞いている人には、主体は一人一人で、政治を作るのは自分だということを分かってほしいです」と話す。
 立命大の学生(4年)は「デモは政治に直接関われないが、宣伝などによって人々に広がってほしい」と話す。また、「関心をもってもらうことが必要だと思う。賛否はそれぞれだと思うが、まずは知ってほしい」(大阪市立大・3年)という意見もあった。
 中には「自衛隊の友達がいて、身近に感じている。『戦争に行くのは嫌だ。人の助けになりたくて自衛隊に入った』と聞いている」と話す立命大の学生もいた。手紙や署名を集めて京都市役所に届ける予定だという。

◎街中 賛否両論の声
 デモの側を通りすがったリクルートスーツ姿の若者は、「若い世代がしっかりと意思表示できていて良いと思います」と話す。一方、遠くからデモを見ていた兵庫からの観光客は「見ていて『戦争に反対している』ことしか分からない」とデモの趣旨が伝わっていないことを指摘した。
 また、デモの様子を撮影する報道陣や観衆らが道をふさぎ、つまづく老人の姿もあった。「興味のない人は仕事とかもあるし、道をふさぐことになる。SNSなどウェブが発展している中、ここまでやる必要があるのかは、一人一人意見があるだろうと思います」と話す人も。しかし、仕事帰りにデモを見ていた人の中にも、「SNSを通して東京などでのデモの様子は見たことがありましたが、生で見たいと思いました。特に若者の意思が可視化できるので、良いと思います」という意見もあった。

 周りの人々からの賛否両論を呼び、影響を与えたデモ。教授の勧めでデモを見学していた学生(立命大・2年)は「個人的にはデモに良いイメージはありません。でも、批判も同意も声を巻き起こして、確実に周りの人に影響を与えたと思います」と話した。

「戦争立法反対」を訴える学生ら
「戦争立法反対」を訴える学生ら
ラップでデモを先導する学生
ラップでデモを先導する学生