女子大学生がTwitterで呟く「スタバなう」。Starbucks Corporation(以下スタバ)は、1996年の日本上陸以後広く普及し、現在は国内1000店舗以上を展開している。大阪大法学部1年のHさんは「安っぽすぎず、格調高すぎないので、大学生でも入りやすいところがスタバの魅力」と言う。また、「ワンコインでちょっとしたぜいたくを味わえる。Twitterの大学用アカウントで『スタバなう』と言っておけば許される気がする」と、武庫川女子大2年のTさんも話す。

 一方、男子大学生はスタバをどのように捉えているのか。スタバに人生で一度も行ったことがないという阪大生二人、Aさん(工・2年)とBさん(工・3年)が「初スタバ」を体験した。Aさんは「スタバなう」とツイートする女子大生に対して、「文化の違いを感じる。飲み物そのものではなく、おしゃれな雰囲気やコミュニケーションの場としての価値に高い金を払っているようでいい気はしない」と辛辣なコメントを投じる。「(『スタバなう』とツイートするのは)スタバの思うつぼでは」とも。

 6月20日、イオン北千里店で屋外のテラス席を確保。当初は好きなメニューを注文する予定だったが、「自由なカスタム要素が女子大生には人気なのでは」の一言で、Aさんはあらゆるカスタマイズをしたメニューを注文することに。「あのカウンターで注文するの?一気にハードル上がった」。店員を呼んで注文する形式だと思っていたようだ。

 Aさんは「ベンティアドショットヘーゼルナッツナッツバニラアーモンドキャラメルエキストラホイップキャラメルソースモカソースランバチップチョコレートクリームフラペチーノ」を一息で注文。しかし、慣れない単語が多いこともあってか店員にうまく伝わらず、メモをしたスマートフォン画面を見せることに。おまけに一部もう存在しないカスタマイズもあり、適宜今あるものに入れ替えてもらい、合計料金1004円となった。対してBさんは「エクストラシロップチョコレートチップ抹茶クリームフラペチーノのトールサイズ」。Aさんのフラペチーノはかなりの時間を所要して出来上がったことから、カスタマイズにかけられる手間がうかがえる。

 「意外とおいしい」と話しながらフラペチーノを飲む2人。これまで日常にスタバが存在せず、高校の英語の授業でしか知らなかったというAさんは「授業で取り上げられるくらいだから店内にはミラーボールがあり、ネット上の評判からもメニューは何行にも渡るものかと思っていたが、普通だった。基本的にメニューも長くない。もっと特徴のあるカフェだと思っていた」と話す。またBさんは「なんとなく感じていたハードルの高さはなくなった。行きたいかどうかは別として、たまたま見つけたら入ろうかなとは思える」と話す。

 肝心のドリンクの味について「甘すぎた」とも話すAさんは、「レモンなどの甘酸っぱいものや、カットフルーツの乗ったメニューが欲しかった」と指摘。女子大生Tさんも「ある程度飲みきった後にパサパサの残骸が残るのが嫌。おいしいけどもう少し酸味のあるメニューを増やしてほしい」と話しており、スタバに求める方向は男子大生と女子大生でも合致するようだ。

 なんとなくハードルが高いと感じる人も多いスタバだが、「未経験者」が考えるほど難しくはないのかもしれない。この夏、「初スタバ」に挑んでみるのも悪くない。

vol.258