vol.257

 無償で死後、自分の体を大学の医・歯学部に提供する「献体」。
1868年に始まった献体。一時は献体不足も叫ばれたが現在では さまざまな団体の努力もあり、約26万名にものぼる。
自らの身体を死後に無条件・無報酬で大学の医・歯学部に提供する「献体」を希望する人が増えている。
献体を希望する人は10年前とくらべ6万人増加し、今年の3月31日には約26万人となった。
献体された遺体は医・歯学部の解剖学教育に おける正常解剖の講義で使用される。
献体を行うためには献体篤志団体、医科および歯科の大学に登録する必要がある。
登録申込方法は それぞれの献体篤志団体、医科および歯科の大学によって多少異なる。
近大の場合は申し込みの際には肉親者全員の同意が必要だ。
献体を希望する人が増えた理由は少子高齢化や核家族化、団体、大学が火葬費用を負担してもらえるからなどではないかと言われている。
近畿大学医学部事務部学務課の大原太司さんは「そういう目的で献 体される方の問い合わせはあるが、近畿大学では受け付けていない」と話す。
献体が始まった当初はどの医・歯学部にも献体が不足していたが、インターネットや時代の 流れにより献体の数は増加。必要とされる献体の数より過剰気味となっている。しかし、今までの医学の発展には献体が不可欠だった。これから先 も献体は不可欠なことは変わらない。
医学・歯学の教育と研究の 発展のために自らの遺体を無償で提供する献体。誰もが死後、医学の発展の支えとなることができる。