損害保険大手の損害保険ジャパン日本興亜が8日に開催した就活生向けの会社説明会で、社員らによるフラッシュモブ(多数の人々が予告なくダンスや歌を披露するパフォーマンス)が行われるサプライズがあった。学生の就活を応援する珍しい試みで、説明会に参加した学生らを驚かせ緊張を解きほぐしていた。

 同社は就職活動生を対象に、若手女性社員と座談会を行う形式での会社説明会を行った。会場の同社ビル(大阪市西区)1階広場には開始前から就活中の女子学生らが集まり、女性社員と話をするなどしていた。開始予定の時刻になると、いきなり現れた男性が口元にマイクを近づけて様々な音色を表現する「ヒューマンビートボックス」を聴かせ、続いて別の男性が歌い始めた。さらに社員らが奥から飛び出して、学生らの目の前で歌に乗せて激しいダンスを披露。すると少し前まで学生らと話していた女性社員も急に立ち上がって踊り出した。ずっと床を掃除していた清掃員まで道具を投げ出してダンスに参加。事前に全く知らされていなかった学生らは最初こそ戸惑いを見せていたものの、次第に歌に合わせて手拍子をするように。就活の緊張感でやや硬くなっていた表情もやわらいで、社員らのパフォーマンスに圧倒されていた。

 同社では昨年度もフットサル大会を開催し、学生と社員の交流を図っている。好評だったという昨年度に続き、新たな就活イベントの演出を見せた。採用広報活動において「挑戦」する企業像を強調していると言い、「GW明けの就職活動で疲れている学生を応援したいという思いから、フラッシュモブを企画した」と人事採用担当者は話す。歌はオリジナルの楽曲で、社員も制作に参加するこだわりよう。「失敗を恐れず前向きに自分らしく頑張ってほしい」、「楽しみながら自分のやりたいことを見つけてほしい」と学生を応援する内容だ。歌の途中では就活を応援する社員からのメッセージVTRも流された。3月解禁となった就活も中盤に差しかかり、「就活疲れ」に悩む学生も増えるGW明け。リラックスして少しでも笑顔になってもらおうとする会社の工夫がこの日、フラッシュモブとなって輝いた。

 フラッシュモブの様子を撮影した動画が22日、Youtubeで公開される予定だ。