今春から近畿大応援部で初の女性部長となった廣田美穂さん(近大・4年)。部員不足の中、先頭に立って部員を引っ張っている。

 部員不足の応援部を変えたいと思った。そこで、女性が部長になれば周りに印象を与えられると思い立候補。人を引っ張ることは得意ではなく、責任を持って団長を務められるのか不安だという。また、女性初ということもあり、OBなど周りからの期待やプレッシャーも大きい。「まだまだ力不足。この人にならついていけると思ってもらえるような代表になりたい」と話す。

 入学当初のオリエンテーションでの応援部の発表で初めて「応援部」というものを知り、衝撃を受けた。家に帰っても興奮が冷めず、女性が入部してもいいのかと迷いながらも、諦めきれずに入部を決意。入部してからは応援部特有のルールや食事量の多さ、今までほとんど運動をしてこなかったため体力面でも苦戦した。だが、同期が自主練習に誘ってくれるなど、さまざまなことで励まされたという。「つらい練習のときなどは、お互いに励まし合っている。かけがえのない仲間を得ることができた」。仲間と共に、人のために一生懸命になれることにやりがいを感じている。応援で勝敗が決まるわけではないが、一緒に戦っている気持ちで応援することで、自分たちも勝敗で心動かされ、達成感が大きくなるという。

 もともと声を出すことが好きだったため、1年の頃は大きな声を出して、先輩に褒められることがうれしかった。経験を重ねていくにつれて、選手や選手の保護者に「ありがとう」と言ってもらえることに喜びを感じるようになったという。感謝の言葉の素晴らしさを改めて実感した廣田さん。人々が「ありがとう」と言い合える場を提供する側になりたいと思うようになった。「人の未来を応援したい」という思いから、冠婚葬祭を取り扱う職に就きたいと考えている。

 女性初の応援部部長としてよりよい応援部になるよう模索する。「怖くて近寄り難いというイメージを無くし、親しみやすいと思ってもらえるような応援部に変えたい」と意気込みを見せた。

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