VOL.248 銅像ですが? Mr.Kids
京都精華大内で「白い人」が話題になっている。昨夏からスタチューパフォーマー活動を始めた「Mr.Kids」こと今戸隆成さん(芸術・2年)。スタチューパフォーマンスとは、銅像のような化粧を施し、通り行く人に気付かれないほどゆっくりとポーズを変える大道芸のことだ。
京都駅や新京極通など、京都の中心街でもパフォーマンスをし、行き交う人々の目をくぎ付けにしてきた。観衆の笑顔を見るため、Mr.Kidsは忍び動く。
活動を始めたきっかけは地元の祭りだった。毎年5月中旬、広島県福山市で開催される「福山バラ祭」。その中の企画、「ふくやま大道芸」に昨年出演したスタチューパフォーマーに魅了された。早速京都に戻り、大学内で地面に寝転がるパフォーマンスを披露。周囲からは冷ややかな目で見られたが、心に火がつきスタチューパフォーマーを目指すことに。Mr.Kidsと名乗って活動を始めた。
最初は大学内でのみ披露していたパフォーマンス。次第に活動場所を広げていき、今では四条の繁華街でもしばしば活動している。修学旅行中の女子高校生に写真を撮らせてほしいと頼まれたことも。Mr.Kidsは「怖がられることもあるが、SNSの応援メッセージなどが励みになる」とうれしそうに話す。
しかし、スタチューパフォーマーが立たされている現状は厳しい。現在の日本社会は路上でのパフォーマンスに否定的だ。Mr.Kidsもこれまで警察官から6回職務質問をされた。「多くの国では路上パフォーマンスが文化の一つとして大切にされている。日本人も路上文化を大切にしてほしい」と望む。
4月に京都市営交通主催のイベント「サブウェイ・パフォーマー2015」へ参加し、烏丸御池駅内でスタチューパフォーマンスを披露したMr.Kids。今後の目標として希望を持って話す。「有名なイベントに出られるプロのスタチューパフォーマーになりたい」。
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