【野球】関西学生野球開幕前特集 vol.4 近畿大
「あとひと踏ん張りできなかった。ここ一番で力を発揮できなかった」。
主将田中(4年)の言葉が昨季近大野球の全てだ。関西大、立命館大と首位を争った秋季リーグ戦。関大との直接対決に敗れ、優勝戦線から離脱。2位に終わり一勝の重みを知るシーズンとなった。
昨秋はチーム防御率1.49(リーグ1位)の結果を残した投手陣。春のチーム防御率4.12(リーグ最下位)からの大躍進だった。「夏オフの投手陣の建て直しが功を奏した」と田中監督。6~8月は、投手コーチとタイアップをとり、計画的に投げ込みやフォームの修正を行った。中でも秋からフォームをスリークウォーター気味に変えた左腕の池田(2年)は、ルーキーながら先発、中継ぎと大車輪の活躍を果たし、リーグ2位の防御率0.24を残した。宝利、松田の抜けた穴は大きいが、畠(3年)、池田と実績もあり試合を作れる戦力が残っている。特に指揮官が期待を寄せるのは、強気の投球が持ち味の左腕太田(4年)。「投手陣は自分が先頭に立って引っ張る」と最高学年としての自覚は十分。怪我で昨年の出場機会がわずかだっただけに大学ラストイヤーにかける思いは強い。
打線は、昨秋ルーキーながら三塁手として全試合にスタメン出場の小深田(2年)が先陣を切る。攻撃の要は指揮官が「左右の大砲」と謳う谷村(4年)と田中。それぞれ捕手・外野手でベストナインに選出された経験があり、実戦経験の豊富さからもチームをけん引する。守備では、昨秋から谷村に代わりスタメンマスクを被った山野(3年)が司令塔の役割を果たす。打撃に期待を掛けられる谷村は、一塁手としての出場が予想される。
主将の田中は妥協しないチームづくりを心掛ける。投手、野手ともに経験、実績豊富な選手が揃い、層の厚さはリーグ随一だ。投手を中心に守備から攻撃につなげる理想の野球で、4季ぶりのリーグ制覇を目指す。
コメントを残す