「ランプレーの主役」とも言われるRB。今季の関学は2人のRBの活躍に支えられた。2年の橋本誠と、4年の鷺野だ。

 橋本誠は若手ながらパワフルなランナー。強靭なフィジカルを持ち、上級生にも当たり負けしない。昨季は出場機会に恵まれなかったが、今季頭角を現した。一方の鷺野は、俊足を生かし攻撃陣をけん引する。4年連続でライスボウルに出場するなど、1年時から主力として活躍。今季は主将としてもチーム全体を率いた。

 今季の甲子園ボウル。2人のプレーがひときわ光った。橋本誠はリーグ最終節の立命館大戦で負傷により試合途中で戦線離脱。ショックを引きずる橋本誠に、鷺野が声を掛けた。「一緒に走ろう。立命戦を取り返すチャンスだ」。

 橋本誠はファーストドライブから得点を決める。「絶対に自分が勝利に導きたい」という思いを吐き出すように、3TDを挙げた。「独走TDを決めたい」と話していた鷺野も39㍎ランによる得点。2人で合計6TDを挙げ、大差での勝利をもたらした。鷺野は学生年間最優秀選手(ミルズ杯)、橋本誠は甲子園ボウル最優秀選手に選ばれた。

 惜しくも敗れ、日本一を逃したライスボウル。「4年生を勝たせてあげられなかった」と橋本誠は悔しさを口にした。鷺野を「自分にとって最も大きな存在」とする橋本誠。エースランナーの鷺野が引退を控える今、 後継者として橋本誠が再び走り出す。