JR福島駅の高架下アートに注目が集まっている。西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)が始めた「大阪環状線改造プロジェクト」の中でスタートした「大阪環状線高架下アート計画」に、大阪芸術大の学生が参加した。

 高架下をワイン色に染める壁画たち。テーマは、福島駅の周辺に飲食店が多いことから「Bar」に。Twitterで参加者を募集し、さまざまな分野を得意とする学生を集めた。区切られたパネルに、学生らがそれぞれのタッチで筆を走らせ、高架下を彩る。参加した稲井満穂さん(大阪芸大・2年)は「普段は自分の好きなものを、自分の世界で作るばかりだった。表に出て作品を出したり、人と関わったりすることは大事だと思った」と話す。制作は夏の猛烈な日差しの下で行われた。学生たちは麦わら帽子やヘルメットで日光を防ぎつつ、汗を流して作業に没頭したという。

 企画の中心となった大阪芸大芸術学部芸術計画学科学科長の犬伏雅一氏は「アートは孤独な作業と思われがちだが、世界とつながっている。今の学生たちはいろいろなことをやっている。(芸術家がさまざまな分野で活躍していた)ルネサンスに戻りつつある」と語った。学生らが作り出したアートは、高架下店舗開発の間のみ公開される期間限定の作品だ。