ワイヤレスの異能ベーション龍谷にあり
まさに「異能」の研究者だ。総務省が10月20日、「大いなる可能性をもった挑戦者」=異能(inno)な研究者を募集する「異能ベーション事業」の1次選考通過者50人を発表した。選ばれた中に、粟井郁男さんがいる。龍谷大の教授を務めた後、キャンパス内で株式会社リューテックを起業。現在は同大の学生と産学連携プロジェクトとして共同研究を行っている。
そんな粟井さんの研究分野は「ワイヤレス給電」。非接触で送電する技術だ。ワイヤレスで行う海中給電は海底探索に使用される調査艇の給電効率化に、経皮給電はペースメーカー使用者の負担軽減につながる。実現したときに世界に与える影響は大きい。
粟井さんは研究に対する情熱も「異能」だ。退職してからは学生の研究指導に尽力していたが、それまで研究していたマイクロ波の原理とワイヤレス給電の原理が非常に似ていることに着目。「これは面白くてやめられない」と研究に没頭していった。
野望は、ワイヤレス給電で世界に打って出て、電磁気学の歴史に新しいページを作ること。「死ぬまで前向きに、ずっと努力していたことを残したい」と力強く笑った。
コメントを残す