クリスマス。12月25日の聖なる夜に向けてイルミネーションが街を美しく着飾る時期だ。クリスマスイベントが普及して近年、構内でムードを盛り上げようとする大学が増えている。各校のクリスマスに関する様子を比較した。

キリスト教系大学の同志社大ではクリスマスは特別な行事だ。今出川・京田辺両校地にあるツリーは同志社では冬の風物詩となっている。創立125周年の2000年から彰栄館前のヒマラヤスギがツリーの役割を担っていたが、今年から良心館前のヒマラヤスギになった。だいだい色と青色のLED電球13000個がヒマラヤスギを彩る。またツリーだけではなくクリスマスイブ礼拝などを行い、大学を挙げてクリスマスを祝う。「ツリーは学生だけでなく、地域の人たちからも人気がある」と広報課は話す。
 一方、国公立大の大阪大学附属総合図書館にもツリーが存在。イベントで使用したツリーを倉庫に置くのはもったいないためと再使用している。また「大学公式かどうかは分からないが、各部局単位で、医学部附属病院・中之島センター・21世紀懐徳堂などに、例年出されているようだ」と広報課は言う。
 仏教系の京都女子大は、クリスマスに対して消極的だ。キリスト教系大学の豪華なツリーに対して「クリスマスが日本に浸透しているからできること」と分析する。実際に京女大の花祭り(釈迦の誕生祭)は知名度が低いため、キリスト教系大学のクリスマスよりも規模が小さいという。
 クリスマスはキリスト誕生祭にもかかわらず、日本では本当の意味を知らずに行っているのではと疑問視する。「(日本において)クリスマスはイベント化しているのではないか」。実際、京女大の食堂でクリスマスソングが流れていることについても「キリスト生誕を祝おうと流しているわけではない」として黙認している。日本でのクリスマスは宗教儀式ではなくイベント。京女大の認識だ。
 すでに定番のイベントとなっているクリスマス。各大学によって見方は違うが、広く受け入れられているイベントということに変わりはない。

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