VOL.223 学生制作の映画、見たことありますか?
元・立誠小学校(京都市中京区)で10月4日から12日まで「シュ二ット京都国際短編映画祭2014(以下シュニット)」が開かれた。シュニット国際短編映画祭とは、タイ・アルゼンチン・エジプトなど8カ国同時開催の映画祭。世界各地から選ばれた短編映画100本以上を上映する。関連プログラムにおいて、大阪芸術大と京都造形芸術大の学生が制作した全6本の映画も5日に上映された。
「映画は人に見られてこそ映画となるので、今回シュニットで発表できてうれしい」。荻島健斗さん(京都造形芸術大・4年)は、男がストーカーをし続ける姿を表現した『ニュートラル』の監督を務めた。脚本・演出・役者まで、全て学生主体で作った映画だ。ロケ地で上映会を開くなどしたが、学内での発表で終わる作品がほとんど。「まったく関わりのない人に映画を見てもらう機会はあまりない」と言う。
また、3人兄弟を描いた『椅子とかのこと』の監督である吉本彩さん(同)は「普段は他の人の作品と一緒に自分の映画を見ないので刺激的だった」と話す。
主催者の谷元浩之さんは「日本では学生制作の映画が過小評価されている」と思い、関連プログラムの中に学生の作品を組み込んだ。海外では、プロ・アマチュア・学生などの立場によらず、作品自体を評価されることが一般的。「実際、今回の学生が制作した映画は完成度が高かった」と語る。
さらに海外の映画祭は、学生による発表の場やスカウトの場としても機能している。日本でのシュニットはいまだ手探りの状態だが「今後、海外のように学生も支援できる場となれたらうれしい」と話した。
「映画は社会を映す鏡」だと語る谷元さん。映画にはそれぞれの社会的背景が映し出されており、さまざまな映画を見ることは新たな発見につながる。特に、若いからこそ共有できる価値観がある。「映画制作をしている学生だけではなく一般の学生にも映画祭などに行って、普段接することのない映画に触れてもらいたい」と熱を込めた。
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