◇第94回天皇杯全日本サッカー選手権大会3回戦(2014年8月20日 山梨中銀スタジアム)

<関西学院大(兵庫県代表)1-2ヴァンフォーレ甲府(J1)>関学が甲府を追い詰めながら、土壇場で逆転負けを喫した。前半に先制すると後半は逃げ切りを図るも、終盤の連続失点で万事休す。2回戦でJ1神戸を破り注目を浴びたが、連続の「ジャイアントキリング」は果たせなかった。

 時計の針は残り3分を指していた。あと少し、あと少し耐え切れば2つ目の大金星……。そんなはやる思いは、ほんの一瞬のうちに起こった2失点によって打ち消された。

 「失点は本当にもったいない。『もう少しで勝てた』とはみんな言っている」と主将のDF福森は悔やむが、それよりも多彩な攻めを最後まで仕掛け続けた相手の甲府に分があった。甲府の城福監督も「いやな展開の中でもがんばってひっくり返した。(甲府が)次に進むのにふさわしいチームだったと思う」と言う。

 先制して追われる立場になってから、関学はチームで守りに徹した。相手のドリブル突破には2人、3人と人数をかけて食い止めた。身長差をものともせず、クロスボールを跳ね返し続けた。GK村下は強烈なシュートを何本も防いだ。それでも、最後の最後で力尽きた。「(甲府が)たった2分で試合を決めきったのは、さすがだと思った」(福森)。

 「関学、オレ!」。試合後、甲府サポーターからの声援と拍手が会場にこだました。プロの壁。再び打ち破るには、少し厚すぎた。だが、それをあと一歩まで追い詰めた姿に、誰もが賛辞を送っていた。

【前半】関学1-0甲府
【後半】関学0-2甲府
【試合終了】関学1-2甲府
【得点】関学:MF出岡(36分) 甲府:FWクリスティアーノ(87分)、MF稲垣(88分)

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