vol.210 フリーペーパー スマホで楽しむ
学生が運営する株式会社Enter Creationが5月に全国各地のさまざまなフリーペーパーが読めるアプリ、「Take Me」をリリースした。学生の作るフリーペーパーを世に発信し、アプリの更なる可能性を模索している。
Take Meは関西大を中心に活動する「KULLS magazine」、奈良の地域情報紙「コトノハ」、学生フリーペーパーの中では関西一の発行部数を誇る「moco」など13紙を掲載している。ニュースやファッション、芸術など幅広いジャンルを取り扱う。関西だけでなく関東の団体も掲載されていて、発行時期や地理的問題で今まで手に入れることができなかったフリーペーパーを、スマートフォンでいつでもどこでも見ることができるのが利点。掲載団体はアプリを通じて新規読者層の取り込みを狙う。紙媒体は手触りや匂い、ページをめくる音など感覚に訴えかける面で優れている一方で、持ち運びが面倒で文章の関連情報検索ができないなど柔軟性に問題があるとされている。営業を担当する取締役の吉原康平さん(大阪経済大・2年)は「ネットワークを通じて簡単にアクセス、保存できる電子媒体はこれからどんどん需要が増えてくる」とにらむ。
Enter Creationは主にIT関係の仕事を請け負う。吉原さんは駅で学生の作ったフリーペーパーを受け取った際、そのクオリティの高さに衝撃を受け、そのとき取り組んでいたアプリ開発事業のテーマをフリーペーパーに決めた。全国各地のフリーペーパー団体に掲載を募ると、「面白いことをやっている。是非お願いしたい」と返答をもらった。「それなりの手応えを感じた。狙いは間違っていない」と吉原さん。
アプリ開発者は代表取締役の内藤惇太さん(立命館大・3年)だ。内藤さんは「(アプリを)リリースして終わりじゃない。ユーザーに満足してもらえるように、随時修正をする必要がある」という。今後は掲載団体を増やして更新頻度を上げ、より有益なアプリを目指す。内藤さんは「今はスマホを1人1台持ち歩くような時代。僕らの作ったものがそこに一枚噛むことができれば」と話した。
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