大学では第二外国語として中国語、ドイツ語、フランス語など英語以外の外国語も学ぶことができる。卒業に必要な単位として必修科目になっている学生が大半だ。グローバル化がうたわれる今、学生・大学・社会にとって第二外国語はどのような存在なのだろうか。

 日本の現役大学生を対象に、第二外国語に対する意識調査アンケートを行った。

 「第二外国語を学ぶ意味があると思うか」との質問に68・6%が「あると思う」と答えた。「あると思う」という回答には「仕事や就職に役立つから」、「旅行先で使えるから」など、第二外国語に肯定的な意見が多かった。

 一方、「もし必修で学習している(していた)第二外国語が必修でなければ、履修しようと思うか」に「まったく思わない」、「思わない」と回答した学生は63・0%との結果に。第二外国語の学びが必要だと感じている反面、積極的な学生は少ない。

 「第二外国語を学ぶ意味はないと思う」と答えた学生からは「興味がないことに時間をかけたくない」、「あまり使うことがない」などの声が集まった。多くの学生が第二外国語の能力があれば良いと感じているが、自分から学ぼうとは考えない。

 現在、学生に第二外国語を学ばせるかどうかや、何の言語をどのレベルまで学 習させるかなどは基本的に大学側の裁量に任されている。文部科学省は大学の教育について、1991年に一般教育、専門教育、外国語、保健体育の科目区分を廃止。「大学での学びは大学が決める」といった体制を確立させた。

 英語が重視されている日本社会において、なぜ英語以外の外国語も勉強するのか。京都女子大文学部外国語準学科の劉小俊教授は第二外国語の学習は欠かせないと話す。「物事を広い視野で見ることができる本物の教養人になるには、母語とは違う言語および文化の学習が必要」と指摘する。
さらに、大阪大学大学院言語文化研究科の北村卓教授によると「将来、英語圏外に行けば、現地の言語を学ぶ必要が出てくる。大学で学んでいれば、すでに下地ができているためスムーズに習得できる。大学で勉強したことは無駄にはならないし、少しでも現地の言葉を話すことができれば、コミュニケーションもより円滑になる」と述べる。

 英語は世界共通語として認識されている。しかし、英語が通じたとしてもその国の母語で話すことは、現地での生活では欠かせないと北村教授は語った。