次期総長の選考が、5月より始まった。総長選考会議は、教職員による意向投票を従来通り実施することを4月に決定。5月26日に不在者投票を開始し、6月2日の午前に本投票を終了。学内候補者10人を選抜したが、詳細は公開していない。現在は国内外への推薦依頼を行い、学外候補者3人を選考会議で選抜しているという。最終的に全候補者13人を選定するが、決定時期は未定。

 6月10日に衆議院を通過した学校教育法・国立大学法人法の改正案によると、学長選考において教職員の投票を実施する場合、詳細な結果を政府に報告する義務が発生する。京都大は結果報告について「投票は公正に行われる。政府に報告することに問題はない」としている。

 昨年末から混乱の続いていた総長選は、ひとまずの解決を見た。しかし、選考会議は意向投票の廃止について「次期総長決定後に再考を続けていく」としている。松本紘総長の任期は9月末まで。10月からも、引き続き慎重な議論が求められる。