6月8日に行われた、第46回全日本大学駅伝対校選手権大会関西学連出場大学選考競技会で本戦出場を決めた京都大陸上競技部。悲願を達成した京大だが、全国の舞台をどう見据えるのか。

 京大陸上部の歴史に新たな足跡を刻んだ。「歴代最強」と評されるメンバーで選考競技会に臨んだ京大は4時間11分35秒の成績。前年度のタイムをおよそ3分更新し、5分以上あった4位大阪経済大とのタイム差を2分58秒まで縮め、4枠から5枠に拡大した出場枠に余裕を持って入り込んだ。

 躍進の予兆は選考競技会以前からみられた。5月10日の関西インカレ男子10000mでは、並み居る私立大の選手を抑え平井健が29分41秒1で首位。さらに同種目の上位16人に、京大の駅伝選抜メンバーから平井健の他2人が食い込んだ。

 快進撃の原動力となった平井健。自らの足で京大をけん引する彼だが、それだけにプレッシャーもあった。「自分がやらなければ」と気負い、焦りから選考競技会直前までタイムが安定しなかった。しかし選考競技会当日、一切のミスなく走るチームメイトを見て気負いが無くなった。

 平井健は現在のチームを「まだまだ伸びしろはある」と分析する。走力の不足を前提とした上で、メンバー全員の意識改革を課題として挙げた。「駅伝はメンタル面が素直に結果に表れるスポーツ。競技のレベルだけではなく、人間として成長が必要」。日常生活の中でも常に「強くなるための選択肢」を取る。そうした意識をメンバー内で共有していくことが、チームの実力を全国レベルに引き上げるために重要だと語った。

 ようやくつかんだ夢の舞台を実りあるものにできるか。本戦まであと半年、京大陸上部が新たなスタートを切った。