すらっとした長身と鮮やかな服装が目を引くのは蓮田真優美さん(同志社・3年)だ。一見ごく普通の女子大生だが、実はアーティストである彼女。「クリエイティブなエンターテイナーを目指す」と笑顔で話す。「Ren Hasuda」の名前で京阪神地区を中心にさまざまなワークショップや個展を開催し、彼女なりの芸術活動にまい進している。

 蓮田さんは現在、文学部美学芸術学科で現代芸術について学んでいる。やなぎみわや大竹伸朗の作品が好きな、アートを愛する女子大生だ。そんな彼女は、ただ芸術を勉強するだけにとどまらない。京都、大阪、神戸を中心に、独自にワークショップの企画運営に携わったり、作品を展示したりしている。油絵や空間全体を作品にするインスタレーションなど、制作ジャンルの幅は広い。

 小さな頃から絵が好きで、地元のコンクールで受賞することも多かった蓮田さん。高校1年生のとき多様な作品制作に携わる横尾忠則の個展を鑑賞し、無限に広がる表現の幅に圧倒される。それ以降、絵画にとらわれることなく多様なジャンルで創作活動を行う今のスタイルが形成された。

 大学入学後すぐ、自主企画として初のインスタレーション展を大学内で開催した。作品のタイトルは「Present Project #1」。プレゼント箱を用いた、カラフルで可愛らしい作品だ。鑑賞者の好奇心をくすぐり、幸せを感じてもらうことがコンセプト。現在も、京都市内にあるギャラリーを拠点に「Present Project」シリーズを展開している。

 他にもさまざまなイベントとコラボし、インスタレーション展以外の活動にも取り組んでいる。最近では、地元堺市で開催されたワークショップに参加した。蓮田さんは印象に残った本をアートで表現する子供向けの参加型イベントを企画。「好きな本について言葉で表すことがあってもアートで表現する機会はあまりないのでは。他者の作品を通して新たな一冊に出会うのも新鮮な経験だった」とイベントを振り返った。

 今後の目標は、既存の文化をアートに取り込むこと。多くの人に受け入れられるものを提供できる芸術家を目指す。現在はカフェやホテルなどと連携したイベントも構想中。柔軟な発想を生かして、子供から大人まで楽しませることができるアーティストへ──。多くの人を笑顔にする作品を提供したいという純粋な気持ちがRen Hasudaの原動力だ。
 (聞き手=西井理紗)

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