近大志願者 全国一位に
広報の目玉となっているのは、現在2つの飲食店を構える近畿大学水産研究所。近大が世界初の完全養殖に成功したクロマグロをはじめ、近大卒の養殖魚を提供している。昨年4月、グランフロント大阪(大阪市北区)に1号店がオープン。現在も予約席は4月末まで完売という人気ぶりだ。12月には銀座店がオープンし、全国放送で取り上げられた。広報部課長の角野昌之さんは「12月に注目されたのは(受験生に対して)大きなアピールになった」と話す。
また「近大エコ出願」と銘打って、2014年度からネット出願に完全移行。前年度は書類出願と併用だったが、紙の全廃に踏み切った。書類出願は複雑なマークシート方式だったが、ネット出願は画面の指示に従って記入を進めるだけ。手順がシンプルになり、ミスの心配も無くなったという。ネット環境が整っていない受験生のために入力代行も用意したが、実際に代行した件数はごくわずか。来年度以降もネット出願を継続する。
理系学部が多いこともアピールポイントになっている。全13学部のうち、8学部が理系。理系学部が過半数を占めるのは、総合大学では珍しい。角野さんは「理系学部人気の出願傾向も追い風となっているのでは」と分析した。
広報戦略を方針転換したのは、およそ6年前のこと。現広報部長代理の世耕石弘さんが、他の大学と違う広報を進めようと提案した。「昨年を超えるものを毎年作る」という意気込みで、徐々に方向性を変えていった。「(大学名を)知ってもらう段階は過ぎた。近大がどういう大学なのか、イメージをつかんでもらうことが大事」と、角野さんは話す。キャッチコピーや広告に妥協は許さない。数あるアイデアを取捨選択し、幾度も手を加えている。
入学式 つんく♂がプロデュース
全国1位の志願者を獲得しても、勢いは止まらない。今年は入学式を、音楽プロデューサーで卒業生のつんく♂さんのプロデュースで挙行する。飛躍を遂げた近大、次はどのような広報を展開するのか。角野さんは「前年度を超えるというハードルがさらに上がってしまった。またこれから考えていきます」と苦笑いで答えた。
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