中高は放送部。大学でも放送学科に進み、映像制作やナレーションを続ける。企業からの要望を受けて、映像に関わっていた辻村さん。映像漬けの中、その枠にはまってしまい、本当にやりたいことが分からなくなっていた。  「このまま社会に出たくはない」という思いで、2011年度に1年間休学。特にやりたいことも浮かばず、いつも通り映像を作りながらただただ漫然と過ごしていた。休学明けを控えた2012年1月、紹介により美学生図鑑を知り、2月からカメラマンとして活動を始めた。  「美学生図鑑で自分を縛ってきた『映像』という枠が取り払われた」と辻村さん。学生カメラマンが中心となって、主体的にコンテンツを作っていく楽しさにのめり込み、翌年夏にはカメラマンを統括する編集長に就任した。  辻村さんは編集長として、ユーザー、モデルの両者が満足するような写真を求めている。カメラマンの撮りたい写真と相反する場合もあり、苦労が多かったという。「今まで個人単位での活動ばかりで、団体の運営はとても勉強になった」と話す。また、撮影でモデルと会話していく中で、「コミュ障」だった辻村さんは徐々に人と話せるようになっていった。  今までの映像制作と美学生図鑑の違いは「反響が見えること」。少しの工夫がPV数に反映されたり、取り上げたモデルが有名になったりすることに喜びを感じるという。来春に大学卒業を控えた辻村さん。「今後も美学生図鑑を続けながら、自分のやりたいことを仕事にしていけたら」。