【12月号掲載】入試制度 大幅改革へ
・政府、数度にわたり提言 大学入試制度が改革を迎えようとしている。政府の教育再生実行会議が、10月から大学入試改革に関する提言を数度にわたり行った。 10月3日、大学入試センター試験の成績をレベルに応じて段階ごとに示す新方式を提案。従来の1点刻みの評価を見直す方針だ。さらに高校在学中に受ける「到達度試験(仮)」を創設し、推薦・AO入試に活用。複数回受験可能な仕組みを促進するとした。 10月13日、国公立大学の2次試験においてペーパーテストを廃止する方針を発表。安倍晋三首相は「多面的評価に転換する必要がある」と強調した。会議の配布資料には「こどもの志を問うべき」「人となりを総合的に評価」など「人物重視」の記述が多数。大学入試において人格を問うという大きな転換が提案された。 およそ1週間後の10月21日、3日の方針を修正し大学入試センター試験自体の廃止を提案した。新たに「達成度テスト(仮)」を創設し、「基礎」と「発展」の2レベルを高校在学中に複数回受験可能に。センター試験を修正した新テストと基礎学力を把握する試験を別々に導入する方針から一転し、達成度テストとして一本化を目指す。共通の試験で学力を確認した後、面接や論文、受験生の意欲などの総合的な評価を各大学に促す狙いだという。 ・高校・大学 現場の声は 兵庫県にある私立高校の進路指導担当教諭は、人物重視の入試改革に難色を示す。「一概に『人物』と言われても、高校では指導できない。なにより、人物重視で落とされた生徒がかわいそうだ」と話した。 京都大、大阪大、神戸大の入試課は人物重視の入試について「現在明確な方針は決めていない」とコメント。政府による今後の方針固めが重要になるようだ。
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